2017年2月25日土曜日

Feb 2017 Roman Deities on their Orbits vol.2 

というわけで、2月の終わりに慌ただしくお届けする、『PBC地球伝説~軌道を漂うローマの神々』。おなじみの崔教授に加えて新人カメラマンのポルニャレフ君も参加です。はたして彼らはなかよく惑星の伝説を追い求めることができるのか!?


She's Goddess!!


なぜかいつもワキをアピール、エステにでも行ってきたのをジマンしたいのかわかりませんが、ことしも変わらず色気ムンムンなこちらの女子は、そう、われらが女神…





Venus/ヴィーナス
(ギリシャではアフロディーテ)





海の泡から産まれたという伝説がよく知られる彼女は、貝殻から一糸まとわぬ姿で産まれ出てくる姿が美術作品にとりあげられたりと、美の象徴として時代を超えて愛されてきました。

泡とは、そう、以前にもお話しましたね。原初の神ウラノスをその子であるクロノスが倒したとき、アダマスの鎌によって切り取られたウラノスのアレが海に捨てられ…


ちょっと!せっかく美しきキメてるのに、その話するんなら、取材はこれで終了よ!ドタキャンよ!まったく…。女心がわからないやつらね…

ス、スイマセン…

えっと、気を取り直して…

あちらで騎乗している勇ましい女性は、こちらもギリシャ=ローマにその人ありと知られる大女神…




Diana/ダイアナ
(ギリシャでは
   アルテミス)

月の女神であり、狩人の守護神でもある彼女は、いつも弓を携えています。そう、三日月の形、それは弓の形なのです。

冴え冴えとした月である彼女は、ヴィーナスのムンムンさとはこれまた違う、凛とした美しさを誇ります。


あら、いいじゃない。もっと褒めなさい。

ハ、ハイ。
豊穣の女神とか、
ですかね?

彼女の弓の技術は超一流。ギリシャいち、ローマいち、そして太陽系イチィィィィィ!

チョーうまいっ!


フフン❤

どのくらいうまいかというと、イジワル兄さんに騙されて、最愛のオリオンを射コロしてしまうほどウマイっ!


コラーーーー!!!!

わーーーー



おい、娘たちをイジめているのはどこのどいつだ…

い、いや、フランスっす。
ボクは韓国です。

そういう意味じゃない!!

あ、イチィィィィが叱られたわけじゃないんだね。
ヴィーナスのポーズとあわせるとビミョーだったしね…

あれは?

太陽系最大の惑星、すでに太陽だっ!っていってもいいくらいデカいデカい外惑星、木星。すなわち…神々の王…







Jupiter/ジュピター
(ギリシャではゼウス)






ちなみにヴィーナスとかダイアナとかジュピターは英語読みなので、本来はウェヌス、ディアヌ、ユピテルなどです。カナなので正確には書けないけど。

コラっ!わしの欄に注釈を書くなっ!

ハ、ハイっ…




ジュピターといえばホルストの組曲『惑星』の中でも最もひとびとに愛されている『木星』で、音楽の世界でも有名ですね。

「娘たち」って言ってるのは、実の娘であるダイアナと、養女にしたとも言われるヴィーナスのことのようです。ダイアナは兄のアポロとモメ、ヴィーナスはジュピターの息子の火の神ヴァルカンと結婚したものの別の息子の軍神マルスと浮気する。まあ、なんともぐちゃぐちゃな家ですな…。儒教教えに行ったろか。

(その辺の神話はほぼローマというよりギリシャからの伝播なんじゃなかったっけ…)え、えーっと、ところで崔准教授、金星、木星とかっていう名前は東洋のインヨウゴギョウシソーってのにあてはめたからだって前に聞きましたが?

そうそう。木火土金水ね。赤く燃えるマルスは火星、黄金に輝くヴィーナスは金星。白くて速いマーキュリーは、水銀ってことだから、水星。農耕の神であったサトゥルヌスすなわちサターンは、土星。

で、木星は?

これ、ぼくも調べてないから想像なんだけど、ゼウス=ユピテルって、インド=ヨーロッパ語族の伝統的な神格である、雷を携えた主神だから、木星ってなったんじゃないかな。陰陽五行説によれば、雷は、樹木に落ちるから、木の属性なんだって。当時はまだ、電気について知られてなかったからね。

なるほどーーーーー。あ、ところで、あのハンギョジンは誰っすか?






Neptune/ネプチューン
(ギリシャではポセイドン)



コラコラ、半魚人とか言うなよ。あれは海の神。ネプチューンさ。

あー。海砂利水魚っすね。

いや、それは違う。それはくりぃむしちゅーだ。


木星よりもさらに遠く、太陽系の最遠にある星、ギリシャやローマのころにはまだ発見されようもなかった惑星に、近代になってからその名がつけられたんだ。美しい碧い惑星だからね。

ちなみに彼、一説によればヴィーナスの父らしい。

え?そうなんすか?親なくして産まれたんじゃなかったんすか?

神話は文献によっていろいろ記述が違うんだよ。

へー。

だからヴィーナスは、ジュピターの養女かもしれないし、ネプチューンの娘かもしれない。ま、養女説のほうがおもしろいけどね。

おもしろい??

そう。この2月、西の空では海王星が金星に大接近した!

ハイ!

そして木星は、東の空に月と共に出ていた!

ハイ!!

つまり!

つまり!?


絶世の美女であるヴィーナスに手を出そうとする海のオッサンことネプチューン!そしてそれを嘆き、実の娘であるダイアナに泣きつくが、弓で射てくれるどころか一蹴される現代っぽいジュピター!!


「ちょっと、お父さんっ!いまからオリオンと月に一度のデートなの!明日にはわたし痩せてしまうんだから、きょう逢いたいのっ!ジャマしないでっ。ヴィーナスって、養女にしたんでしょ?お母さまがコワくて、愛人にはできなかったんでしょ?だいたいあんなぷにゅぷにゅの化粧濃い色気女のどこがいいのよ!女はやっぱり、野性味でしょ!」
 by ダイアナ

え、えーっと…


どう?オモシロくない?

だ、だいじょうぶか、
このおっさん…


えー、というわけで、以上、実際には軌道上を漂っているのでお互いに遭いまみえることはない惑星や衛星たちが、この冬、束の間、天球の上で繰り広げた茶番、もとい、愛憎劇でしたっ。『PBC地球伝説』、次回もヨロシク!ぱん2〇みえ!!


コラーー!!!ポルニャレフ君、勝手に締めないで!それからそのヘンなハンドサイン、放送できないからヤメてーーー!!




-おしまい-