Jul 2017 Zodiac Maniac
夏!…という感じの気候もどこへやら、8月の長雨に地よりなるものは腐れ落ちすべて大地に還らん的なことしの夏。が!みなさん、覚えておいででしょうか?そう、ことしの7月7日は、七夕と言えば雨が定番だった昨今の常識を覆し、みごと晴天の夜だったのです!
というわけで。七夕以前にも、比較的晴れ間の多く初夏の夜空の星々が観えたあの頃、geneはことしの7月演目はこれ!と決め、6月演目の『BLAME!?』の上の棚にスタンバっていたのです、彼女たちを。
しかーし、その後月日は流れ、まだアップしていない数曲の夏曲を創っているあいだに着々と夏は過ぎ…(T_T) てなわけで、いまごろになってしまいましたこの演目。
『Zodiac Maniac』
YouTube版と、ここpax fantasica版と、あわせてお楽しみください。
Ya Name's Aries
そう、Zodiac Maniac、それは星座の演目。星座の中でも最もその名を知られる、黄道十二星座たちをフィーチャーした、Hip Hopトラックです。
You've got to be the first of the Zodiac!
…実は"Zodiac"という語は、黄道そのものを指すのであり、黄道十二星座のことではないんですねー、、、というのをこれらすべてを制作した上で知りました(T_T) だからthe first of the zodiacという表現はおかしいんですねー。
が、いいのです!そんなことは!ここでは、YouTube版の解説も兼ねつつ、12人の星座の妖精たちを紹介します。
Rollin' stones, horns, ya name is Aries
最初はおひつじ座から!
この12人は、ほぼすべて、Fi?uresシリーズの第12弾のガールズたちから創られています。
Woolly, curly, golden sweater shop
こちらは寒冷地の女の子でしょうか?帽子がモンゴルの戦士たちと色違いだったことから、南シベリアの平原からモンゴル高原あたりのお嬢さま、もとい、妖精ってことで、おひつじ座担当。
Under the oak tree, I've got a rum chop!
Lyricは、そう、ギリシア神話のアルゴー探検隊をモチーフにしています。かつて演目でもとりあげた、コルキスにあるといわれた黄金のヒツジの生る樹を探しての冒険譚です。
golden sweater shopとrum chopで脚韻。
Mind the Taurus, Minotaurus,
Offense! Attach the red fire!
続いてはおうし座!牛と言えば赤!亜科に向かって突進!
Go to be in the bed, because you're tired
しかーし、牧童はボヘミアンな彼女。そんなに攻撃的になるほどハリキってはいません。疲れたらベッドへ。
fireとtiredでかろうじて脚韻?
Mind the Taurus, Minotaurus
でも、牡牛には気を付けろ!ミノタウロスにはもっと気を付けろ!
なぜかところどこど、星座名にthe(da)をつけてしまいました。まあ、、、語呂のためってことで。あと、Minotaurusはホントの綴りはMinotaurosなのかも。
Girls are dancing on the back!
そして、おうし座といえば忘れてはならないのはプレアデス星団。クラブ・プレアデス。ガールズダンサーを背中に背負った、ちょっと小粋なおうし座でした。
牧童の彼女は伴奏者かな?
Call us together, Gemini
おひつじ、おうし、とくれば次に続くは、ふたご座!
実はこれ片方が、fi?ures 12で、もうひとつは以前のfi?uresにいた、どちらも乗馬の女の子です。そして頭韻。
Boxer brothers
そう、低音男性コーラス部分の歌詞はアルゴー号の神話から、ボクシング選手の二人を想定。
Crossing punches on the deck
ここは前のおうし座のon the backと韻を踏ませてみました。え?遠い??
二人の名は…
I'm the Pollux, Me, the Castol
あ、ここでも定冠詞つけてましたね^_^;そして文法もメチャクチャという…。そうそう、歌詞ではdaとかdiとか言ってますがここではtheで書きます。
ま、とにかく双子ってことで。
Call us together, Gemini!
Cancer has no anchor
続いてはこれ、アラビアンナイトの姫?うーん、砂漠、、半島、、ということで、海辺の砂浜に来てもらってのかなりムリヤリな…かに座!
Speaking bubble
ってのは、クラムボンはカプカプ笑った的な感じでカニの泡の声ってことで。
Never gonna go clubbing
You're the crab
clubとcrabって韻を踏んでることになるんでしょうか??
そして…ほぼイミはない、韻重視の…
Cancer has no anchor,
a dance has no answer!
まあいちおう、海に居るカニには碇がついてないから海流の赴くままに流されてゆく、そんなきままな姿と、特に求める答えなど持たぬままに踊る明かすダンサーのつながりってことで。
Leo, the kingdom has come
そしてやってきました、夏の星座、というか夏産まれの皆さんの星座。
Leo, the kingdom has come
しし座のO型。
王様タイプ。
リーダー資質。
fi?ures 12の中でも自然体で十二星座だったのがこの方、たんぽぽの妖精。そう、たんぽぽはdandelion、つまり、ライオンの歯ってことで、迷わずしし座。
has come and has come to the end
ただし王国はその役目を終え、その時代を終焉させる…
in the boredom, I got freedom,
だって、ダルいから…。
だって、自由を手に入れたから。
と、たんぽぽの妖精の閉じた眼が語っている?
Leo the wisdom, God da*n
終わりを悟り、終わりを受け入れる獅子は、賢者なりけり。そうでないやつらは、く〇喰らえ。いちおうfour letter wordsは伏字で。No explicit versionってやつですな。
domとかdamで韻を踏み続けたしし座のパートは、いきおいよくドラムキットを1つ追加し、野性味あふれる大太鼓の音を一拍めに打ち鳴らしました。
Whichever, Virgo
意外と苦労したのはこちらのおとめ座。
fi?uresシリーズのガールズには必ずと言っていいほど入っているクリノリン入りのデカいスカートをつけた女王様的王女様的お姫様的お嬢さま的キャラ。12では実に女王様。
Virgin Queen
しかしここでふと、おとめ座ってなんだっけ?と調べて知った驚きの事実。なんと、いくつも説があるそうで…
1.春の女神ペルセポネー
2.正義と秩序の女神アストライアー
You're the Virgo, to the underground
ってのは冥王ハーデスに地下に誘われたペルセポネーのほう
Queen of Spring or Justice
って言ってるJusticeのほうは、アストライアーなのですが、以前のギリシア神話演目の解説では、正義と秩序の女神テミスとあのゼウスの子を、エウノミアー、ディケー、エイレーネーとしてまして、アストライアーなる女神は登場していませんでした。男のアストライオスはいたけど。はて?
ま、いっか。どっちでも。
ってことで、
Whichever, Virgo!
Libra, a balance of Justice
この辺から、ちょっとだけメッセージ性のある(?)
Justice, where can we find?
Justice, never we can see
あ、ここホントは英語的には、倒置法使ったら、never can we seeなんでしょうかね。。。
まあ、単純にneverを強調したってことにして…
正義なんておりゃみたことねーぜ!!
Libra, a balance of Justice
そう、天秤は、正義と秩序を計る審判の秤。ということはこれはアストライアー説に基づくわけですね。
てんびん座は、実は前のおとめ座の一部と言っていい存在。おとめ座、そうでなくてもデカいのに、すげー。
vacancy of true Justice
秤で計るってことは、ホントの正義なんてないってことだろ?あくまで相対性の問題なんだろ、ってことで。
あ、この子がなぜてんびん座かって?そりゃ、バランス重視のスノーボーダーだからですよ!!(ムリヤリ?)
I, the Scorpio, the Doppio,
そ・し・て
演目冒頭からご紹介したのはこちら、、
サソリの魔女!
って感じがしませんか?この手に持った刺しそうな杖と言い、赤色=アンタレスといい。え?しない??^_^;
Sting, I'm not the sting,
ホ、ホラ、さそりと並べるとマッチしますよね?ね?
geneが黄道十二星座演目を思いついた一番のインスピレーションは彼女なのですが、、、ちょっとパーソナルな感覚かもしれないです、ハイ。
I'm not the stinger of his toe
しかも言ってることも英語的にヘンだし、てんびん座あたりからすでにラップというよりシャウト気味のspoken wordsになっている…
ここ、pax fantasicaではいつも、オリオンのシ因はサソリに刺されたことではなくて、アポロンの陰謀でアルテミスが射てしまったことになってるので「刺したのはボクじゃなーい!」ってことで。
I, the Scorpio, the Doppio
てんびん座の法廷でパニックに陥ったのか、訳の分からないことを叫び続けるあわれなさそり魔女…
Stupid on, rapid on!
バカでもいいから、とにかくここは早く走り抜けろ!…と、気に入っている写真にもかかわらず歌詞はヒデー^_^;
Sagittarius, hilarious
続いてのこちらは、もうそのまま、いて座のためにあるかのようなfi?ures 12からの、ガール・アーチャー。
Riding on the back of half horse
エルフの女の子という設定でしょうか。心なしか髪もエルフっぽいような。弓弦に巻き込まないようにチウイチウイ^_^;
で、いて座と言えば、そう、馬です。半人半馬、人馬一体です。
ということで…
Running on, running on
おなじみのアルテミスこと馬に乗る別の弓の使い手から乗騎を拝借。
Drunken archer, a doctor,
で、加えてケンタウロスって、飲んだくれでかつ、アスクレーピオス的な医者じゃなかったかな、と思いまして。あれ?違う??
まあとにかく、意外にも他人の乗騎とも良く似合い、ガール・アーチャーからのケンタウロスガールとなったのでした。
というわけで、きりよく脚韻。
Sagittarius, hilarious!
Ship wrecked, Capricorn
やぎ座は…
やぎ座は…
うーん、むつかしかったです。とりあえずシリーズからは無理やりに、ヤギを飼ってそうな感じのするメキシコの農家の娘さんを役に充てました。
Deep in the sea, dive into..
Deep in the sea, dive into..
女声コーラスからの…
Do not hurry up, now you're fish
もう、慌てて逃げなくてもいいんだよ、キミはいまやお魚の身体を手に入れて、深い深い水の底なんだから、と、例のゼウスvsテュポーンの戦いのときの牧神パーンを謳います。
ま、でも、この子たちはホントのヤギだから、海に入ると沈んじゃうかもねーということで無情な締めくくり…
Ship wrecked, Capricorn!
あ、別にヤギが泳げないわけではないと思います^_^;
Ah ah ah, Aquarius
さあ、そろそろ黄道の旅も終わりに近づいてきました。もう到着まで長くないよ、ということで、再び女性コーラスで…
Won't be long...
某ブラザーズとは関係ありませぬ^_^;
実はここまですべて、一小節につき写真一枚、フレーズひとつでやってきましたが、ここだけは、二小節写真二枚に対してwon't be longがながーく割り当てられています。won't be longなのに長いというヒニク?
こちらの女の子は、ドイツの子のようですね。オクトーバーフェスタな衣装です。ですからホントは、持っているのはビアマグが正しいのでしょうが、ここではよそから水差しを借りてきての、みずがめ座の乙女。
Split water, build a wall
ん?歌詞はモーセ?ん??
ジュイッシュともなかよしなドイツ人ガールでした。
水飲んで、ビール飲んで、乾杯!
Ah ah ah, Aquarius!
Pisces, a piece of cake of the ocean
そして最後を締めくくるのはもちろん、うお座です!
Slapping, slapping,
slap your fin
Jumping, jumping,
jump the water
お供に色とりどりの魚を連れた彼女は…
ナゾの魔法使い?の女の子。
この右手に持った杖はオリジナルですが、左手にわっしとつかんだサンマか何かは、よそから連れてきました^_^;
もう気分はサカナ、ってことで、
Catch the wave, you're the fish
最後は気持ちよく韻を踏みつつ、意味のないことを叫びあげる!
うお座よ、サカナよ、キミは大海のケーキだ!!?
Pisces, a piece of cake of the ocean!
あとがき
日蝕、黄道
というわけで、構想からはや2か月以上が経過してしまいました、こちらは本来、この掲載日付のように、7月の演目となるべきだった(そしてムリヤリにそうしてしまった)演目ですが、このあとがきを書いているのは実は8月22日。
西の大陸では皆既日蝕フィーバーも終わったちょうどその日。
Happy Total Eclipse!!
geneは昨夜、夏休み中に観ていた『蟲師 続章』を見終えた後、ちょうどいいタイミングだ!と第一期と第二期の中間に位置する特別編『日蝕む翳』をみまして、東の島での日蝕騒ぎに興じておりました。日蝕。
え?日蝕が何の関係があるかって?
いや、、それは、、いちおう、黄道なので…^_^;
日蝕の時に星が見えるという話は聞いたことがありません。明るすぎるから、というよりも、並び的に、地球・月・太陽と並んでいるその太陽の方向をみているわけで、恒星はさらにその奥にあるのですから、結局は闇の向こうで太陽の光にかきけされているのでは?と思うのですが(調べろや!)、もしみえたとしたらそこには、夏生まれの人の星座であるしし座やおとめ座がみえているのでしょうね。
『Zodiac Maniac』という曲-その1
もとい。話戻って。
こちらの演目は、もともとプレモのfi?ures 12 ガールズをカスタムした黄道十二星座ガールの構想があったところからスタートしました。その後、夏らしい曲を!ということでサンバ風、タンゴ風などいくつか作ったものの別の動画に使用したり、いまひとつこの絵柄に合わなくて温存していたり。
そんな中、あの超有名アニメ『サムライチャンプルー』をいまさらながらに通しで観る機会に恵まれ、Shing02とかnujabesとか90年代のあの界隈の方々のシャレオツかつ本格派なヒップホップを聴くにつけ、Tango Nu Yoricanoでやった若干ヒップホップ寄りのリズムトラックをもう少しそれらしく寄せて…とだんだんとこの曲の制作が進み、最終的には、せっかくだからラップの詞を書いてみよう!ということでできあがったものになります。あー、説明だらだらとナゲー
歌詞は、あくまで意味のないことを韻を踏みながら言う!というコンセプトで作っていますのでばかばかしければばかばかしいほどよし(この点はShing02らとは傾向を異にしているかもしれませんが)、でもムダの中にもコソっと社会へのメッセージもこめたい!ということでしし座やてんびん座のくだりでは、王権時代が象徴する不平等へのヒニク、現代の民衆社会への賛美、そして正義って概念への懐疑を盛り込んでみる。歌はどうせもともとヘタクソなのだからそこは恥を忍べばよし。ただしまんまカラオケするわけにもいかんのでいつものBOSS VE-20を使って徹底的に加工すべし!
…ということで、ラップ部分は二つのちょっとだけ異なる設定と録音後加工で2人のラッパーがいるように、また男声コーラス、女声コーラス、さらに女声コーラスは何回か録り重ねて複数人いるように…などとやっています。結果的には、いつものことですが、Virgin Queen♪とかWon't be long♪などの女声コーラス部分がお気に入り^_^;ま、でも、Boxer Brothers♪とかSpeaking Bubble♪などの超低音男声コーラスもまあまあわるかないか。
ラップは、ところどころうまくできたところもありますが、やはり英語の発音的にヘタクソなところや、はっきり聴き取れたり聴き取れなかったりがマチマチで。ホンモノのラッパーの人たちは、かなり高い声で、早口やダミ声でありながらも滑舌はよく、リズミカルに、唇や口蓋を使った音韻がとてもキレイに発声されている。もちろん録音機材や技術の問題もあるのでしょうが、それにしてもやっぱりホンモノはすごい。
『Zodiac Maniac』という曲-その2
さきほど書きましたように、この前に、『Black Orpheus』、『Samba de Sophia』という未発表曲!(笑)を作りまして、そして"production 75"のほうでアップ済みの『Tango Nu Yoricano』と、なるべく単純な四つ打ち以外の曲を…という練習の中、夏の季節に合わせてラテン要素やヒップホップ要素を強めて行っていた中からこの曲が産まれました。
これまでと違う工夫というと…
- これまでドラムパートもほとんどリアルタイム録音していたのを節目となる部分にはステップ入力を取り混ぜることでキビキビ感を出してみた。
- ハイハットでロールをする部分、ベロシティを段階的に上げて下げてとすることで音に動きを付けてみた。
- ドラムキットの2つめにヴォーカルサンプリングをいろいろと並べて、Hi!とかI love you..とかUh Uhとかの効果音的なコーラスを多用してみた。
- Wobbleタイプのベースシンセでスクラッチ音を出してみた。できあがって低音がよくでる環境で聴いてみたらすげーブルンブルンエンジン音みたいのがヒドかったのでハイパスフィルターで低音要素バッサリ削除してさらにイコライザーかけて高音と中音のみにしてみた。
- そのついでにエフェクターもいろいろと使ってみた。特にマキシマイザーはあるとないとでぜんぜん音の立ちが違う!のに感動した。
あたりでしょか。
MASCHINE、まだまだ遊べる要素が満載です!
ところで、音色としてArturiaのV CollectionからB3オルガンのプリセット音色を5種ほど持ってきて、オルガンアンサンブルのようにして使っているのですが、、このうち2つほどが、セットした途端にすごいノイズが入るのがわかりました。というかずっとループで流しながら音色を追加していたので気付かなかったのですが、停止してみてびっくり。どうもこれ、オリジナルのHammond B3のお供をしているレスリースピーカーのロータリー音なんじゃないかと思うのですが…。実はこの後で制作した曲でSynclaviaを使った時にも同じようにトゥクトゥクトゥクというノイズが。これもかな。オリジナルを再現するためにノイズまで…というのは聞いてはいましたが、たぶんこのことかな、と体験してみるとはじめはとまどい、次に感動。
Arturia、すげーー
というわけで、なんだか演目の解説というよりもほぼほぼ楽曲制作日記になっていますが、ここらで、(またまた)遅れてきた7月演目を締めくくりたいと思います。
提供は、星空の神、アストライオス株式会社でお送りいたしました!?
ではまた!