2018年1月5日金曜日

Jan 2018 Seven Deadly or Happily Whichever vol.2 

さあ。七福神の乗る宝船をプレモで再現しよう!というもくろみではじまった2018年1月演目。イマイチキャラ設定やシナリオつくりも整わないままに撮影は無事終えたものの筆が進まず時間をかけていますが^_^;ここらでひとつお話風に進めてみます。

『Seven Deadly or Happily, Whichever』


ややっ。あちらに現れ出たのは新たな鎧武者っ。

毘沙門天の化身こと、ジェネラル・ノルドよりも若干めだっているように思うのは、わたくし崔の気のせいでしょうか?

あたりまえだー!

おれがホントの毘沙門天だー!

え?
え!?


えーーーーーーーーー!?



Northern Twins and Twin Arms



遥か北の果てに輝く武門の星っ。北の辰(ドラゴン)と呼ばれた歴戦の武将っ。



そして、神宝ランカ・アームズの真の継承者は、このおれだっ!!

え?じゃ、じゃあ、こちらは?

そっちは双子の弟のタモン。おれはその兄、ビシャモンっ。ジェネラル・ノルド=ビシャモンだ!

確かにやつも、ノルド・ジェネラルを名乗る資格はある。なぜなら我らは二人で北を護ってきた。ああ、おれは別に弟をにくんでいるわけではない。

いやむしろ、誇りに思っている。帝釈天インドラが天の四軍を編成した時、北を預かる武将としてその筆頭に名を連ねたあの多聞天。

ほうほう、四天王のことですね!

そうだ。さらには薬師如来とその浄土を護る護衛軍でもまた、筆頭神将の宮比羅大将と呼ばれたジマンの弟、タモン。

ほうほう、薬師十二神将ですね!

そうだっ。

われらもまた、二人で一人。いや、いままではそれに甘んじてきた。それはおれの弟への愛の現れ。しかーし!ひとたび七福神の宝船となれば話しはベツだっ。そこは譲れん。そこに乗るのは、このオレ、ビシャモンこそがふさわしーい。

な、なるほど。。たしかに七福神の話をするときには必ず、毘沙門天って言いますよね。多聞天じゃあなくって。逆に四天王を数えるときは、多聞天、広目天、持国天、増長天、と。それって、違うんですか??(というか、福禄寿と寿老人の関係といい、とにかくややこしいぞっ。)






あー、それはねえ。もともとビシャモンってのは、ヴァイシュラヴァナ、つまり、神の息子っていう意味の彼らの本名だったんだけど、中央アジアだかチウゴクだけでその意味が取り違えられて、よく聞く者っていう意味の多聞天って名前も着いたんだよね。

は、はあ。

はっ。しかしそれにしても、ちょっとわかりません。もともと七つの大罪としての彼らと、毘沙門天であり多聞天であるクベーラ神とは、関係がなかったのでは?あのアイテムの話は…

さすが。気付いてしまったんですね。そう、別に毘沙門天と多聞天が双子だったわけじゃあないんですよ。むしろ双子なのはこの鎧の中身の二人。でも、アイテムのランカ・アームズも、二つあったからややこしいことになったんだよねえ。

ん???

そう。ランカ・アームズは、現在インダス河と呼ばれているあの大河の中州にあった居城を治めていた、クベーラ王がこしらえた武具。そしてそれは、当時技術の粋の域にあった青銅器、すなわちブロンズで組み上げた一組と、いまだ開発途上ではあったものの迫りくる新勢力との戦いに向けてプロトタイプとして製造された鉄製と、二組が存在したっ。

おおっと、ここで文明の始原に迫る新たな情報が展開されました!

いま船上にある弟がまとっているあの鎧と剣が、ランカ・アームズ・ブロンズ。そして、このおれが来ているこの鎧と槍が、ランカ・アームズ・アイアン。

ランカ王クベーラはこれを最高のものとすべく、ランカ攻防戦で命を落とした配下の二将の魂をその双方に込めたと聞く。すなわち、羅刹族(ラークシャサ)の長の魂をブロンズに、夜叉族(ヤクシャ)の長の魂をアイアンに。

そうだね。そうして月日は流れ、人々の記憶も薄れ、ランカ王クベーラの別名でもあったヴァイシュラヴァナの名が二つの異なる意味、すなわちビシャモンとタモンとにわかれたとき、クベーラの魂もまたこの二組の武具にわかれて宿った。以来、四天王として、あるいは十二神将として仕える場合にはブロンズを、毘沙門天単独として活動する場合にはより防御力の高いアイアンを身に付けるのが習わしになっているのさ。

いや、キミ、それわかってんならこの船、キミが乗ったらダメでしょ。お兄さんと変わらないと…それにまあ、そういわれてみれば、あっちのほうが毘沙門天ぽいっていうか、七福神ぽい?

うわーーーーー!だってボクも船に乗ってみたかったんだよー!あと、帝釈天はパワハラ気味のセクハラ気味だから、こっちで働き方を変えたかったんだよーー!(T_T)



ハア。やかましいわ。これだからインダスの流れを汲むものは。。ま、わたしもどっちかというと…

え?ボク?ボク?

…いや、リコ、いまの流れでそうはならんだろう…ちょっとは考えろ…

やれやれ、ですな。いっそのこと、七福神あらため八福神でもいいではありませんか。何でも飲み込んでしまいましょう。いや、待てよ、その場合は確か、猩々、つまりオランウータンが加わるんでしたっけ?ねえ、サザンのお二人?

いやいやいやいや、それはとんだとばっちり。ワシらは二人とも乗り込むことになってるんだからこれでいいんじゃ。蒸し返さないでほしいもんじゃ。

と、ところで気になったんですが、その皆さんがお持ちのアイテム、それってどこからやってきたんですか?それぞれ別々の由来のようですが…

何っ、おまえ、そんなことも調べずに取材してたのか!?このアイテムはなあ、このアイテムは… 

…なんだっけ?おい、タモン、知ってる??

えーーーー、兄ちゃんが知らないのにおれが知るわけないよー。おれらの武具の話はいま兄ちゃんがカイセツしてくれた通りだけど、ほかの人たちのも何か共通点があるの??


ハイっ、それじゃ説明しよう!ボクらのこのアイテムは、すべて、月に由来するものになっていまっす。そう、月に栄えた古代文明の、とある国立科学研究所で開発された、月世界にとってもある意味ハイテクにあたる代物だと、聞きましたっ。

Presents from Moon


月!?月ですか!?ハッ、ということはまさかこれ、ダンクル=オステウスが地球に投げてよこしたあの…

いいえ、惜しいんですけど、それがちょっと違うのよ。これ、あのレディー=ジョウガがこの星にもたらした、っていうか、月から盗んできた品物なんだそうよ。

あーあ、バラしちゃった。ま、それじゃいっか。カイセツカイセツ!普段めだたないんだから、ここらでカイセツをカノープス君から、よろしくお願いしまーす!

レディー=ジョウガ、つまり、かぐや姫ですよね?あの、四海皇を統べる、海賊女王の…やっぱりあのお話とつながっているんですか…


そう、海賊女王レディー=ジョウガはもともと月世界の盗賊、いや義賊でね。当時、この地球の古代世界を植民地化することに傾いていた月政府に反旗を翻すべく、彼らの施設を襲っては、テクノロジーや知識をこの地球にもたらしていたそうだよ。しかし終に彼女は捕まってしまう。

(長いね…)
月のとある国立科学研究所から7つの試作品を盗み出した時、そこに勤めていた若手科学者のダンクル=オステウスという人物と、ちょっとしたいきさつがあったらしくてね。そのことに時を取られているあいだに逃げ損ねて、捕えられてしまった。そうして彼女は、その罪の償いとして地球に堕とされてしまう。そう、これまた月の発明品である、バンブー・ポッド、っていう冷凍睡眠機能付きの惑星間飛行用ドローンでね。そうして彼女が落ちてきたのが、現在でいうチベットの一角だったってわけ。

(なげーよ…)
それでも転んでもただでは起きないのがレディー・ジョウガさ。彼女は、彼女にぞっこんになったダンクル=オステウスとひとつの約束をしていた。それは、彼女が彼を忘れないよういという口実で、バンブー・ポッドの最終調整をしていた彼に、ポッドの中に、戦利品である七つのアイテムを隠させたんだ。そうして彼女は無事、最後の戦利品をこの地球にもたらした。

(な、永いですね…楽しいけど…)
ただ、彼女がそのアイテムを眼にすることはなかった。なぜなら、バンブー・ポッドを最初に発見したチベットのおじいさんが、ポッドを切り開いた時に、7つのアイテムはすべて散り散りになってしまったからなんだ。月と地球の気圧の関係かな。って、月には気圧はないんだっけ。ともあれ、アイテムは、チベットの幾つかの渓谷に飛び散り、高原から流れる幾つかの水源を伝って川下へと流れて行った。あるものはインダス河へ、あるものはガンジス河へ。あるものは黄河へ、あるものは長江へ。西へ西へと流れて、アム・ダリアやシル・ダリアを降ったものもあるって話だね。

そう、もうお気づきのように、このクベーラの武具二組、ランカ・アームズは、インダスを流れた秘宝に縁がある。もちろん武具そのものは、クベーラ王が鍛えさせた青銅器と鉄器なのだけど、それぞれに象嵌されている宝石、これこそが、夜叉王と羅刹王、そしてクベーラ王そのものの魂を繋ぎとめた真のムーン・アイテムなんだ。

サラスヴァティーのガンガ・シタールは、弦の部分が月由来だね。もともとは地球の人々の心を操るためにつくられた、特殊な波形を産み出す糸だそうだよ。

ぼくらサザンの二人が持っている、ザ・ロンゲスト・ヘッドジ・オールドワンズ・ワンズも、月世界で不老不死の研究をしていた科学者が発明したアイテムだそうだよ。これを持つものはとてもとても長い人生を生きることになる。福クン、禄クン、寿クンの三人は、もとはふつうのニンゲンで、道教の修業を重ねる仙人だったのだけど、黄河のほとりでこのアイテムを手に入れたことで、不老不死三人衆として、星にも例えられるだけの聖人となったんだ。ある意味、短命なこの地球の民にもっと長く、智慧と技術を磨くのにたる時間をもたらしたかったレディー・ジョウガの願いがかなえられたってことだね。

え?ブラックのディメンジョン・サックと、リコのホエール・ロッド?うん、あれはいったんは西へと降って、それぞれアム・ダリア、シル・ダリアの河畔で発見され、かの高名なアレクサンドロス大王の遠征時に、地元オクサスの豪族オクシュアルテスによって、娘ロクサネとセットで大王に献上されたらしい。その後、大王はほどなくして亡くなるわけだけど、大王の妻になったロクサネの侍女がこれを大事に保管していて、やがてディアドコイたちの追手を逃れてロクサネのライバルだったパリュサティスの侍女たちとも連れだって(雇われ人の侍女同士は主人同士が争ってても裏で仲良かったんですねー)ヒガシヘヒガシヘ旅へする中で、大王の思い出話と共に東の果ての島に伝わったそうだよ。

残る一つ、ファットボトム・ベリーは、長江を降っていって、寧波あたりに流れ着いたらしいね。みんなの知っている布袋さんは、これを手に入れるとともに、どこから譲り受けたのか、しばらくはディメンジョン・サックも保持していたらしいよ。

…カーット!!!


ハイッ!おじいちゃんの話は長いんで、そこまでっ!

続きは、いつ制作されるともしれないこのお話の本編、『Seven Deadly or Happily, Whichever』で語られるのを、みなさんお楽しみに!!

そしてみなさん、それよりもあちらをご覧くださいっ!そう、この映画のサウンドトラックを担当することが決まった、あのっ…あのっ…




.. To be continued.


(つづきは2月演目として公開予定です\(^o^)/)