2015年5月10日日曜日

May 2015 - 3rd Session - 


ワルガキぶりも板についてきたクエンティン少年。はたしてこのままで、ちゃんとロベルティーノ農場の跡取りになれるのでしょうか?いえいえ、だいじょうぶ、ちゃんと彼も、いい仕事してるんです。では、農場物語三部作、最後の一話お楽しみください。



第3話 - カボチャの馬車と王子様 - 




「はーい、いらっしゃい、いらっしゃい。Whole Source Marketの営業、はじまりはじまり~!

おっと、そこのキレイなお姉さん、ラディッシュはどう?安くしとくよ?」


「あら、きれいなお姉さんだなんて、わたしのことかしら??」


(背後から:じとーっ)





ベエエ ベエエ(まーた始まったよ、ローレンス君の営業トークが。マジメな顔して、彼は言うよ~。お姉さん、ダマされちゃだめだよー。)

「ここのFarmer's Marketはすべて、産地直送、本日採れたて、鮮度と味と安全さ、すべて揃った、ほかでは買えないオーガニックフードばっかりだよー!

まずは、採れたて野菜!ヒツジもほしがる、採れたて野菜だよ!」


「それにこっちは、採れたてのワラ!みんなの家のウマも、ウシも、ヤギも、ヒツジも、みーんな欲しがる、採れたてのワラだよー。」

ミャーウ

ミャーウ


「こっちには、採れたての干し草もあるよー(って、干し草は干してるんだから、採れたてじゃないだろー!ローレンスのやつ、なんでも採れたてって言えって、そりゃムチャだよー^_^;)


「え、こっちには、採れたて、いや、割りたての薪もあるよー。(って、薪もさ、乾かしてナンボのもんだから、割りたてとか、ちょっとおかしくないか?いや、乾かして割ってるから、割りたてでいいのか?しかしそれって何か価値があるのか??ローレンスのやつ、、、)」


(ああ、ローレンス君、きょうもかっこいいワ さすが、わが農場のマーケッター、プロデューサー。こんな田舎に置いておくのがもったいないくらいの有能さ。彼がいてこそ、父さんの作物もこうして、人々の手に届くのヨね。キャー!賢いわ、ローレンス君!)

「お姉さん、これ、みてくださいよっ!パプリカに、カリフラワー、それに何だかわかんないけどおいしそうなこの野菜!おっと、妹さんが持ってるそのラディッシュも、いいのを見つけたねー!」

「いもうとじゃないよー!ムスメだよー!」

「こ、こらっ。いいんです、言わなくて^_^;」


「おやー?お嬢ちゃんは野菜が好きなんだねえ。ちっちゃいのに、えらいねえ。」

「うん、野菜、大好き。でもね、ワタシ、ちっちゃくないよ。もう4歳だよっ。」

「そーか、そーか、4歳かあ。こりゃまいったなあ。ごめんよー。」


「さあさあ、元気もりもり、ニンニクはいかが?ヴァンパイアもびっくりぎょうてん、退散するよ~(笑)

それに、ホラ、そこのニワトリが産んだばっかりの、ほやほやのタマゴもあるよー。」

「おおっと、真っ赤に熟れた完熟トマトも忘れちゃあいかんね。甘くてまるで、フルーツのようだよー。これを食べれば、あなたのうちも、フルーツの館に!Casa de Frutaだね!

さあさあ、いまなら量り売り、10%オフ!もしくは、Buy 1 Get 1 Freeだよッ!」



ドドドッ ドドドッ…



ソローリ
ソローリ

(うーん、John Deere号、もうちょっと静かに^_^;バレちゃうからさー。ヨシ、アモン、いまだっ、行けっ!)

ベエエ ベエエ…

「このお野菜は、なーに?」

「んー?どれどれ?それはねー…」


「あー!ヤギだよー。ヤギが、レジ係をやるみたいだよー!ねえ、ママー、おじさーん、すごいねー。」

「え?ヤギ?ああっ!ダメダメ!お札を食べたりしたらダメだよっ!ロバートさん、ちゃんとヤギみててくださいよー。」

「ええっ?お、おれのヤギか?あ!あれは坊ちゃんが連れてった…。」

「え!?」


「あ、ぼっちゃん…。」

「え?クエンティン?あ!!」


(マズーい!思ったより早くバレたぞ!ロバート、アンソニー、よけいなこと言うなよー!二人とも、ヒミツ、バラしちゃうぞっ!)


「うわーっ!クエンティン君、何してるの!?」

「あら、こどもトラクターだなんて、かわいいですね

「え、ええ、そうですね、かわいいですね。…じゃなくってっ。」

「おれはッ、

カボチャを運ぶのさっ。

毎年それが、おれの仕事ッ。

世界中のこどもたちが…


…くつしたいっぱいにカボチャが詰まってるのを、どんなに楽しみに待ってることか…。

去年は、ヴェガスまでの遠い道のりにはばまれちゃったけど、ことしこそは…。」

「ええー!?それ、ちょっとチガウよー!それ、ハロウィンクリスマスと、混ざってるよー(@_@。」


「あの子、なかなかおもしろいワ ネ?」
「え、え?そ、そうですね…。いや、じゃなくって!」

「おにいちゃん。」

「ん?なんだなんだ?アブナイぞ。何してるんだ、こどもはうちに…。」

「おにいちゃん、カボチャスープ好きなの?ママのカボチャスープはおいしいよ\(^o^)/いっしょに食べる?
そうだ、きょうはカボチャスープパーティだあ!ね、ママ、いいでしょ!?」

「そうね、いいわね(笑)でもその子がカボチャをくれたら、だけどね。」


「…う。。」


「くー、まじかー!ここまで来て(>_<)」

「えーい、わかったわかった!仕方ないなあ。カボチャ好きの子の願いとあっちゃあ、仕方ない!

まあ、10月までまだまだあるし、ひとまずこのカボチャは、キミに譲るよっ。」

「わーい、やったー!カボチャスープだあー!」


「フフフ いい子ですね、おにいさんのむすこさん?」

「い、いえっ。ボクはまだ独身ですっ!はいっ!」

「キャー、そうなの?彼女は?彼女はいるの?」

「い、いえ、いないです。お姉さんみたいな素敵なヒトがいたらなー。ハハハ…。」

「うまいこと言うわねー!じゃ、ラディッシュ、赤と白、両方いただくわっ」

「毎度あり!」



(ローレンス君、、、いまちょっと、仕事じゃなかったよネ(T_T) 

そ、そうなんだ…。そういう趣味なんだ…。ヒトヅマが好きなんだ…(>_<))


「やーれやれ、坊ちゃん、ヤギの仔一頭貸してくれっていうから何をするのかと思ったら、カボチャをねえ。って、まだまだ早いっての!(笑)まだ春だよ!ハロウィンは、、、秋の収穫のお祭りだよっ!(笑)

つか、そのカボチャ、いつ採れたんだ??ま、まさか、去年のじゃ…ないよ…ナ…。おれ知ーらないっと。」



ミャーウ
ミャーウ

(カボチャなんて…。おいしくないし。ハロウィンには、魔女のお手伝いで忙しいし。春が一番だニャー。秋のことは、いまは考えたくないニャー。)

バウワウ
バウワウ

(あんたも苦労してんだな。あー、のど渇いた。ヤギもウシも、やんちゃだぜ。)

ミャーウ!

(ちょっと、何ヒトのミルク飲んでるの?やめてミャー!)



「キャッホー!」

「カボチャ、重いだろ?お姉さん、おれがうちまで、運んであげるよ。ついでにこの子も一緒に。」

「キャッホー!」

「あら、親切なのね。」

「まあな。おれさまは、このWhole Source Marketのオーナー、ロベルティーノ農場の跡取り息子、クエンティンだからな。お客さまサービスは、おれの仕事だゼ!」



… ハハハ フフフ ワハハ キャハハ …


- End -


「フゥ。。

クエンティンのやつ、メロディに、言ってないよな…。頼むぜ、むすこよ。メロディにだけは、メロディにだけは、、、いや、ロバートやアンソニーやローレンスにも…。

フゥ。。

もう、店行くの、ヤーメよっと。」



…ティラリーラー ティラリーラー ティラリーラー♪…