May 2015 - 3rd Session -
ワルガキぶりも板についてきたクエンティン少年。はたしてこのままで、ちゃんとロベルティーノ農場の跡取りになれるのでしょうか?いえいえ、だいじょうぶ、ちゃんと彼も、いい仕事してるんです。では、農場物語三部作、最後の一話お楽しみください。
第3話 - カボチャの馬車と王子様 -
「はーい、いらっしゃい、いらっしゃい。Whole Source Marketの営業、はじまりはじまり~!
おっと、そこのキレイなお姉さん、ラディッシュはどう?安くしとくよ?」
「あら、きれいなお姉さんだなんて、わたしのことかしら??」
(背後から:じとーっ)
ベエエ ベエエ(まーた始まったよ、ローレンス君の営業トークが。マジメな顔して、彼は言うよ~。お姉さん、ダマされちゃだめだよー。)
「ここのFarmer's Marketはすべて、産地直送、本日採れたて、鮮度と味と安全さ、すべて揃った、ほかでは買えないオーガニックフードばっかりだよー!
まずは、採れたて野菜!ヒツジもほしがる、採れたて野菜だよ!」
「それにこっちは、採れたてのワラ!みんなの家のウマも、ウシも、ヤギも、ヒツジも、みーんな欲しがる、採れたてのワラだよー。」
ミャーウ
ミャーウ
「こっちには、採れたての干し草もあるよー(って、干し草は干してるんだから、採れたてじゃないだろー!ローレンスのやつ、なんでも採れたてって言えって、そりゃムチャだよー^_^;)
「え、こっちには、採れたて、いや、割りたての薪もあるよー。(って、薪もさ、乾かしてナンボのもんだから、割りたてとか、ちょっとおかしくないか?いや、乾かして割ってるから、割りたてでいいのか?しかしそれって何か価値があるのか??ローレンスのやつ、、、)」
(ああ、ローレンス君、きょうもかっこいいワ❤ さすが、わが農場のマーケッター、プロデューサー。こんな田舎に置いておくのがもったいないくらいの有能さ。彼がいてこそ、父さんの作物もこうして、人々の手に届くのヨね。キャー!賢いわ、ローレンス君!)
「お姉さん、これ、みてくださいよっ!パプリカに、カリフラワー、それに何だかわかんないけどおいしそうなこの野菜!おっと、妹さんが持ってるそのラディッシュも、いいのを見つけたねー!」
「いもうとじゃないよー!ムスメだよー!」
「こ、こらっ。いいんです、言わなくて^_^;」
「おやー?お嬢ちゃんは野菜が好きなんだねえ。ちっちゃいのに、えらいねえ。」
「うん、野菜、大好き。でもね、ワタシ、ちっちゃくないよ。もう4歳だよっ。」
「そーか、そーか、4歳かあ。こりゃまいったなあ。ごめんよー。」
「さあさあ、元気もりもり、ニンニクはいかが?ヴァンパイアもびっくりぎょうてん、退散するよ~(笑)
それに、ホラ、そこのニワトリが産んだばっかりの、ほやほやのタマゴもあるよー。」
「おおっと、真っ赤に熟れた完熟トマトも忘れちゃあいかんね。甘くてまるで、フルーツのようだよー。これを食べれば、あなたのうちも、フルーツの館に!Casa de Frutaだね!
さあさあ、いまなら量り売り、10%オフ!もしくは、Buy 1 Get 1 Freeだよッ!」
ドドドッ ドドドッ…
ソローリ
ソローリ
(うーん、John Deere号、もうちょっと静かに^_^;バレちゃうからさー。ヨシ、アモン、いまだっ、行けっ!)
ベエエ ベエエ…
「このお野菜は、なーに?」
「んー?どれどれ?それはねー…」
「あー!ヤギだよー。ヤギが、レジ係をやるみたいだよー!ねえ、ママー、おじさーん、すごいねー。」
「え?ヤギ?ああっ!ダメダメ!お札を食べたりしたらダメだよっ!ロバートさん、ちゃんとヤギみててくださいよー。」
「ええっ?お、おれのヤギか?あ!あれは坊ちゃんが連れてった…。」
「え!?」
「あ、ぼっちゃん…。」
「え?クエンティン?あ!!」
(マズーい!思ったより早くバレたぞ!ロバート、アンソニー、よけいなこと言うなよー!二人とも、ヒミツ、バラしちゃうぞっ!)
「うわーっ!クエンティン君、何してるの!?」
「あら、こどもトラクターだなんて、かわいいですね❤」
「え、ええ、そうですね、かわいいですね。…じゃなくってっ。」
「おれはッ、
カボチャを運ぶのさっ。
毎年それが、おれの仕事ッ。
世界中のこどもたちが…
…くつしたいっぱいにカボチャが詰まってるのを、どんなに楽しみに待ってることか…。
去年は、ヴェガスまでの遠い道のりにはばまれちゃったけど、ことしこそは…。」
「ええー!?それ、ちょっとチガウよー!それ、ハロウィンとクリスマスと、混ざってるよー(@_@。」
「あの子、なかなかおもしろいワ❤ ネ?」
「え、え?そ、そうですね…。いや、じゃなくって!」
「おにいちゃん。」
「ん?なんだなんだ?アブナイぞ。何してるんだ、こどもはうちに…。」
「おにいちゃん、カボチャスープ好きなの?ママのカボチャスープはおいしいよ\(^o^)/いっしょに食べる?
そうだ、きょうはカボチャスープパーティだあ!ね、ママ、いいでしょ!?」
「そうね、いいわね(笑)でもその子がカボチャをくれたら、だけどね。」
「…う。。」
「くー、まじかー!ここまで来て(>_<)」
「えーい、わかったわかった!仕方ないなあ。カボチャ好きの子の願いとあっちゃあ、仕方ない!
まあ、10月までまだまだあるし、ひとまずこのカボチャは、キミに譲るよっ。」
「わーい、やったー!カボチャスープだあー!」
「フフフ❤ いい子ですね、おにいさんのむすこさん?」
「い、いえっ。ボクはまだ独身ですっ!はいっ!」
「キャー、そうなの?彼女は?彼女はいるの?」
「い、いえ、いないです。お姉さんみたいな素敵なヒトがいたらなー。ハハハ…。」
「うまいこと言うわねー!じゃ、ラディッシュ、赤と白、両方いただくわっ」
「毎度あり!」
(ローレンス君、、、いまちょっと、仕事じゃなかったよネ(T_T)
そ、そうなんだ…。そういう趣味なんだ…。ヒトヅマが好きなんだ…(>_<))
「やーれやれ、坊ちゃん、ヤギの仔一頭貸してくれっていうから何をするのかと思ったら、カボチャをねえ。って、まだまだ早いっての!(笑)まだ春だよ!ハロウィンは、、、秋の収穫のお祭りだよっ!(笑)
つか、そのカボチャ、いつ採れたんだ??ま、まさか、去年のじゃ…ないよ…ナ…。おれ知ーらないっと。」
ミャーウ
ミャーウ
(カボチャなんて…。おいしくないし。ハロウィンには、魔女のお手伝いで忙しいし。春が一番だニャー。秋のことは、いまは考えたくないニャー。)
バウワウ
バウワウ
(あんたも苦労してんだな。あー、のど渇いた。ヤギもウシも、やんちゃだぜ。)
ミャーウ!
(ちょっと、何ヒトのミルク飲んでるの?やめてミャー!)
「カボチャ、重いだろ?お姉さん、おれがうちまで、運んであげるよ。ついでにこの子も一緒に。」
「キャッホー!」
「あら、親切なのね。」
「まあな。おれさまは、このWhole Source Marketのオーナー、ロベルティーノ農場の跡取り息子、クエンティンだからな。お客さまサービスは、おれの仕事だゼ!」
… ハハハ フフフ ワハハ キャハハ …
- End -
「フゥ。。
クエンティンのやつ、メロディに、言ってないよな…。頼むぜ、むすこよ。メロディにだけは、メロディにだけは、、、いや、ロバートやアンソニーやローレンスにも…。
フゥ。。
もう、店行くの、ヤーメよっと。」
…ティラリーラー ティラリーラー ティラリーラー♪…