Jul 2015 - chapter 2
財団の私設救難隊"チーム・ココ・マイアミ"!ニューファンドランド島沖で消息を絶った華僑の大富豪一家とビョルン博士、そしてDARPAのツグマフォース隊長グレイソソ・ピアースを巻き込み、冒険は、いままさに幕を開けようとしていた…我々はッ!この船を、知っている!
この不敵な面構えに、
見覚えがあるッ!
第二章 ネーレイデス、発進
流れるような舷。
その船速を感じさせる、
流線型の舷。
しかし、以前とは異なるこの艤装。
このホースはいったい…?
お!あれは!
救急バッグ!?
そして持っているのは…
財団私設救難隊"チーム・ココ・マイアミ"の次席リーダー、ベルマー隊員だ!
そう、彼女はフィンランドに長く続く医者の家系の出身。世界をまたにかけた救難活動の末、ここ、"チーム・ココ・マイアミ"に辿り着いた、サバイバルと医療のプロフェッショナル。
そして…
チームを率いる古参隊員にして主席リーダー、レムさんこと、レムブリック・ロキ・レームソン隊長。
前半生は謎に包まれているが、人は彼を、某国の軍事機関の出身とウワサする。
なぜなら、メガネと深い学識とは裏腹に、現場大好き、荒事揉め事なんでもござれな頼れるオヤジだから。
ちなみに煙草吸います。
続く隊員は…
浅黒い肌に銀の髪。
青いニット帽とオレンジのシャツに黄色のライフジャケットが良く似合う、フレッシュな新米隊員、ジョナこと、ジョナサン・ヤズィディ。
こどもの頃、某国山岳地帯で急な腹膜炎に襲われたところを、外国の医療救難隊によってからくも一命を取りとめる。以来、医学の道を志すものの、理数系科目がニガテだったために医者にはなれそうもなく。。
しかしその卓越した身体能力を活かし、こうして"チーム・ココ・マイアミ"に加わり、憧れであった医療と救助の仕事に励む。
ホントはヨナって呼んでほしいらしいが、レムやベルマーに"ジョナ"と呼ばれる14歳。
"チーム・ココ・マイアミ"では斥候役からしんがりまで務める働き者。
もちろん医療行為も、応急手当くらいならできますヨ。
なんたって、元医者志望ですから。
医術の師匠はベルマー医師。
レム隊長
ベルマー副隊長
ジョナ隊員
彼らが乗り込むのは…
東方重工(THI)製
オーケアニデス級快速艇
弐號艦 "ネーレイデス"!
初號艦"オーケアニデス"の由来となったギリシアの海の女神オーケアニデスがひとりドーリス。このドーリスと海神ネーレウスの娘たるネーレイデスの名を冠するのが弐號艦。ネーレイデスの数は50人とも100人とも言われ、イルカや海馬ヒッポカンポスの背に乗って海を渡るとされているとか。(というわけでイルカが予告編その2に、海馬がその1に、それぞれ登場!)
初號艦同様、クアッドコアCPUを並列接続したAI船だが、ベースとなるCPUがアップグレードされたほか、AIのコードも大幅に書き換えられた新プログラムとなった。新プログラムは、マルチコアを人工ニューラルネットワークとして使うことで予知予測の機能を強化。外観や機構部分はオーケアニデスと同等なれども、事実上、次世代艦といってもいいほどの性能を誇る。
THI製の軌道人工衛星 "コイオス"、"クレイオス"に加え、"チーム・ココ・マイアミ"が独自に打ち上げた衛星群とも接続「可」能。座標はもちろん、海底の地形、潮の干満、潮流の速さ、天候あらゆる要素を計算に入れ、かつAIのdeep learningで未来まで知ることのできる、新世代の海の女神だ。
…。
レム、いまの、何語?
…。
やぁれやれだな、ジョナ坊ぅ。
フフフっ。
そしてッ!
ネーレイデスの新装備はッ!
そう、こちら、放水銃。
すなわち…
流体加速装置!!
この、船体後方の装備にご注目。
グレーの部分がタンクになっており
黒いバルブを開けて
液体や気体(?)を溜められます
そこから延びた連結ホースと…
実はこれ、気圧によって流体を飛ばす仕掛けになっています。ホースの途中にある弁を閉め(写真では黄色と黒のロープの背後にある赤いレバーで弁の操作を行います)、こちらのポンプを立てて空気を送り込みます。
するとタンク内の気圧が上がり、弁を開いた時に銃口から水等の液体や気体を放出!
すなわち、、、
圧縮型流体加速装置!!
水は海にいくらでもあり、ヒトがポンプを押す限りは動力にも事欠かない、つまり、ほぼ永久機関!?
…季節柄カビがコワくてまだ水は入れていません。空気で試してみました^_^;
続いてこちらは、船室部分。
船体後方からも階段で降りて行けますが、ボンネット(?)部分を開けることもできます。
中には台座?簡易ベッド?
こちらは
ジョナ君のお気に入りの場所
フロントタラップ
レムさんとジョナ君
ジョナ、おまえもこれ、撃ってみるかぁ?
…いい。ボクは武器がキライだ。
へ~、それでもこうして、おれらと一緒に来る。単なる救難隊じゃあなくって、おれらみたいに好んで危険なところへ赴く隊に入った。そうして、実のところはかなりの手練れと来てる。
ありなんじゃねぇ~のぉ、おれぁおまえのその、武器をにくむっていうスタンス、いいと思うんだよねぇ~
レム、いいから黙って操縦して。
いやだからこの船はAIでだなぁ~
…???
…いや、いいよ、ジョナ。おまえにはまだ早かったな…
…???
まあいいさ。
いくぞ、全速前進!!
われわれはッ
北へ向かう!!!
レムさん。
そこ操縦席じゃないのに。。。
なんでそんなにはしゃいでいるの。。。
ジョ、ジョナ、おまえ、ま、まさかわかっててからかってたのかぁ?えぇ?
ハッハッハ!
フフフ