2015年8月29日土曜日

Aug 2015 - Chapter 3 - 

ジムでのワークアウトを終え、無事バリにリゾートに出かけたソフィー・アンこと、安 智慧。いや、白昼夢はどこからだったのか?ソフィーはホントにバリに行ったのか?いえいえ、行ったと思いますヨ。カエルにも会ったと思います。さて、そんな頃、カナダに向かったゾフィーお嬢さまとお付きのリッツィーは…。


Chapter 3 Rocky Mountaineer Railway 


お嬢さま、ゾフィーお嬢さま、着きましたよ。ヴァンクーヴァーです。起きてくださいな。

むにゃむにゃ、リッツィー、そうなの?もう着いたの?眠い…。

お嬢さま…

うそうそ、アレンジありがとう。さあ、降りましょう。

はい。




列車が出るのは明日の早朝ですから、きょうは一日、ヴァンクーヴァーで過ごしましょう。

そうね、わたし、空港でみたあの、先住民の方々の描いた動物たちをもっとみてみたいわ。

それでしたらちょうどよい博物館があるそうですよ。ブリティッシュコロンビア大学の、人類学博物館です。

いいわね、さっそく行ってみましょう。

これは?

たぶんビーバーじゃないでしょうか。ほら、尾っぽが。

あら、ほんとね。


あっちは?

あれはクマかと。



これはわたしもわかるわ。シャケね。

ええ、でもお嬢さま、正しくは、サケですよ、サケ。シャケじゃなくって…。

あら、そうなの?お父さまはシャケと言っていたけど。。シャケが来たら、こう!って。

(お嬢さま、お父さまはヒグマですか…)


これらは、クワカワカワク族トリンギット族、それにハイダ族などが遺した作品、あるいはそれにインスピレーションを受けて現代の世代が造り継いでいっているものだそうです。

さ、きょうはもう寝て、明日に備えましょう。

そうね。


-翌朝-

ふわー、眠いわね。

ええ、お嬢さま、わたくしも眠いです。お嬢さま昨夜はなかなか寝付きになりませんでしたから…。

列車の時間はそろそろ?

ええ、そうですね、そろそろ待合室に戻りましょうか?

あら、リッツィー、あれは?



ああ、昨日博物館で観た作品とよく似ていますね。トーテムポールでしょう。


この地域の先住民、いわゆるファーストネーションと呼ばれている人々は古くから、部族の印、村落の印として、ああしたトーテムポールを作っていたそうですよ。(ってWikipediaに書いてあったわね…。)




へえ。リッツィーは物知りね。

え、ええ、まあ、ごにょごにょ、


あら?

え?

あのコンテナの上に居るのは?
あ!

まあ、あれは、仔鹿ね!

こんな駅にまでシカが来るなんて、ヴァンクーヴァー、すごいですね。大自然の中にある都市、ヴァンクーヴァー!


あっちもごらんなさい、リッツィー、あれはハクトウワシかしら?

ホントですね!初めて見ました!

わたしもですよ。



あ、こんどは親鹿かしら。

ヨーシヨシヨシヨシヨシ



(お、お嬢さま、それいったいどこで…)

あ、お嬢さま、野生の獣ですから、可愛くてもあぶないですよ。気を付けてくださいな。

だいじょうぶよ、リッツィー。

いや、ホントにアブナイですよ。。。



よしよし、いい子ですね。なんておとなしいの。それに素晴らしい毛並みをしている。ツノも立派だこと。

ええ、ホント、美しい獣ですね。


さあ、お行き。わたしたちはそろそろ旅に向かいますから。また会いましょうね。


(か、帰って行った。。。お嬢さまの言うことがわかったのかな。すごい、すごすぎるわ、お嬢さま。だてにいつもわたしにわがままをきかせているだけはない。とにかく、従わせることに慣れているのね。それこそが、「お嬢さま」ということか…)

リッツィー、何か?

い、いえ、行きましょう。列車が来たようです。

そうね。




-車窓から-

ついに出発ね!

なんだかワクワクしますね!

景色が飛んでいくようね。

うわ、すごい渦ですよ!

両側が断崖になっている。流れが速いところなのね。




お嬢さま、みてください、後ろ。たったいま通ってきた橋です。鉄橋です。こうしてみると凄いですねー。

ヒトの技はすごいわね。よくできているし、それに美しいわね。



貨物列車が通っていくようね。今朝見たコンテナも積まれているかしら。

いろんな色のコンテナがあってきれいですね。

ええ。



あら、リッツィー、あそこを観て!

え?

ほら、あの崖のところ!

あれ、今朝の鹿たちじゃあないかしら。きっとついてきたのね。

いや、お嬢さま、いくら野生動物でもこの列車に追いつきはしないと思いますヨ…

いいえ、あの二頭は確かにあの鹿です。それにもう一頭いますね。

…。ガンコだ…。


何か言いましたか?リッツィー。

いーえ、何にも…。

そう。

あら、こんどはもっと大きな鹿ね。あの子は初めて出会うわね。

あ、あれは!!


ムムムム、ムースだ!北米最大の、いや世界最大の鹿、スカンディナヴィアでは森の王エルクとも呼ばれる、ムース!

…まさかこんなところに現れるなんて。。。

わたしに会いに来たのね、きっと。

…マジでそうかも…


ホラ、今朝のハクトウワシに、それに、クマ、オオカミ、それからあれはビーバーね?

カナダ中の動物が集まってわたしたち二人を迎えてくれているようだわ、ね、リッツィー。


マジかーーーーー!

なんなんだ、このお嬢さまの強運、Luck 18なのか?いや、それともこれ、カリスマなの?大自然にも通用するゾフィーお嬢さまのカリスマ。これっていったい…


ま、まさか、、、、スタンド能力…



リッツィー、さっきから何をそんなにブツブツ言っているの?動物たちを観なくていいの?もうそろそろみんな去って行ってしまいそうよ。

は、はい、でも、お嬢さまが会いたいと言えばまたみんなやってきそうな気がしてきました…

あら、わかればいいのよ。そう、わたし、動物たちを呼べるの。

え、ええ、そうかもしれませんね…。

あ、お嬢さま、そろそろきょうの旅路はおしまいみたいです。中継地点に着きそうですよ。

そう、カムループス、でしたっけ?

そうです。二つの川が交わる地。かつての交易地だったところだそうです。きょうはそこに泊まります。

見知らぬ街に泊まるのも楽しみね。





-翌日-

二人の列車の旅は、まだまだ続いていた。遂に二人は、カナディアン・ロッキーの見どころ、ジャスパーバンフの国立公園地帯へとやってきた。そして、列車はカルガリーへ…。




お嬢さま、列車の旅も楽しかったですね。

ええ、これからどうするの?

ここからは車に乗り換えて、来た道を逆向きに、ヴァンクーヴァーへと還ります。還ると言っても、まだまだこれからが旅です。アイスフィールドパークウェイを通って、湖や山岳地帯の中をあちこち寄りながら西に向かいますよ。

すばらしいわ!


国立公園の夜。

ロッジの夜。











リッツィー、みて!あれはなに?シカとは違うみたいだけど。

ああ、あれは、オオツノヒツジ、通称、ビッグホーンですね。何でもアメリカ大陸には幾つかの亜種がいるそうなんですが、おもしろいのはその亜種は、西から東へ、帯のように分布しているんです。ヒトは、ロッキーを、カナダとアメリカに縦にわけてますが、ヒツジには関係ないみたいですね。

へー。

あれはまだまだ若い個体のようですよ。あのツノはもっともっと大きくなります。

へーーー。

さて、次の湖につきましたよ。


きれいなところですね。

ええ。



あら、リッツィー、あれは?



あれは、カヤック?いや、ボート?それとも、ラフティング??


…。


…。


…。


なんだかいまの方、他人の気がしなかったわ。

あちらもそんな雰囲気でしたね。

ええ。


ぐるぐるぐる


さ、ともかく、次は、エメラルド色の水で有名な湖にいきましょう!ちょっと天気があやしいですが、湖面がキレイだといいですね。


うわー!この色、すごいわね!!!

(ああ、お嬢さまがこうして喜んでくれて、よかった。飛行機、列車、レンタカー、それに宿。あちこちアレンジした甲斐があったわ(T_T))

-そのまた翌日-

さあ、お嬢さま、きょうは最後の行程になりますよ。天気もよくなったし、ロッキー山脈のドライブ、愉しみましょう!

そうね。リッツィー、運転おつかれさま。

いえいえ。


あら、線路がみえてきたわね。

わたしたちがやってきた線路でしょうか?うん、きっとそうです。このあたりに見覚えがあります。

そうなの?

あ、でも単線ぽいからあの線路を通ったわけじゃないのかもですけどね。


あ、ホラ、みてください!

あ、ホントだ、ロッキーマウンテニア鉄道の車輛ね!

あれに乗ってたのがほんの数日前だなんて、信じられないですねー。


カナダ、鉄道の旅。

なかなかね。

ですね。




…さて。というわけでお嬢さま、とうとう空港まで着いてしまいました。

ホントね。名残惜しいけど、もうじゅうぶん楽しんだわ。ありがとう、リッツィー。帰りましょうか。

ええ、そうしましょう。

あ、待って、その前にそこでビールを一杯…

お、お嬢さまっ!

くかー

くかー


(やっぱり…。あそこで飲んだら寝ると思ったわ…。まあ、静かでいいけど。。ちょっと疲れたし、わたしも寝ようか。)

くかー
くかー



-お屋敷にて-

リッツィー、素晴らしい旅行をありがとう。

いえいえ、わたくしも一緒に行けて楽しかったですよ。

カナダ、涼しかったし、景色はきれいだったし、動物たちはたくさんいたし、素晴らしいところね。

ところでリッツィー、、、

はい?

わたし、湖で出会ったあの女性、やっぱりどこかでみた気がするのだけど…

そうですか?お知り合いですか?

うーん、というよりも、、、まるでわたし自身のような…

は、、、え?それはいったい??

うーん、うーん。

(またはじまったか…。お嬢さまの不思議病が…)


うーん、よくわからないけど…とりあえず、カエルに聞いてみることにするわ!


…カ、カエルって、あのカエルの置物ですか?

あら、リッツィー、何度も言っているでしょう、あれは置物ではないのよ。ちゃんと話ができるのよ。

は、はあ。。。。

ね、カエルっ!


………。