Dec 2014 - p09/p24 - 

第九章　西の島    

三時のニンジン

貴殿がウワサに名高い大司教どのか。

そういうそなたは、悪名高い海賊のオーラヴとやらだな。もうこの地を荒らすのをやめよ。

そうは言ってもこれが商売でな。おれも身内のやつらを養う責任ってもんがある。おまえたちが先にここにいようが関係ない。おれたちだって、喰わねば終わりよ。もう裏切りはコリゴリだからな。

哀れなやつめ。しかし何もタダとは言わん。これは身代金だ。この地の平和をあがなうカネだ。領主や民から集めたものだ。持っていけ。

…。じじい、太っ腹だな。

その代り、もう各地を襲うのをやめよ。そして我が話を聞け。そなたはオーディンを信じる者か？

ケッ！オーディンなんぞ知るか。ああ、確かに昔は大事に思って祀っていたがな。おれの仲間をそそのかして裏切りに走らせるような神なんぞ、もう信じちゃいねえよ。おれは、おれだけが力だ。ハーラル美髪王の…

そなた、何やら心にわだかまりを抱えておろう。わしならその苦しみから、解き放ってやれるぞ。汝の隣人を、もっと愛するのだ。

さ、三時のニンジン！？そ、その言葉はあのボウズと同じ…。

花婿来たる

－四年後－

兄さん…じゃなかった、お頭。ここですよ。

お前なあ、おれはいつまでもアロギアさまやゲイラの影を追ってなんかいないんだよ。いまはこうな、新しき教えのことを少しでも学ぼうと、だな。三時のニンジン、三時のニンジンっと…。

まあまあ。ソックリなんだよ、これが。観るだけ、ね？観るだけだから。

えー、ではこれより、ノーサンブリア王兼ダブリン王オラフ・アムライヴ・カランの妹君、ギダさまの再婚相手を選ぶ、選抜総選挙を行います！立候補者、前へ！

ほら、アニキ、行った行った！
う、うわっ

なんだなんだ、きちゃないのが来たなあ。托鉢坊主か？それともビンボウ海賊か？
どけどけ。

さあ、ギダ王女、おめがねにかなうものがおりましたか？

わたくし、あのボロを着た方を新しい夫に選びます。

な、なにーーーーー！！

あの姿。いつ何時も備えを怠らぬ戦士の姿であり、また道を究めんとする気高き魂の持ち主と見込みます。お名前は？

オ、オーラヴ・トリグヴァソン…デス。

まあ、オーラヴ。兄と同じ名ですね。ね、兄さん、いいでしょう？

ちょっと待ったーー！！
このアルフヴァインこそ…


うるさいなー。えいっ。

あ、コラ、ソルギルスっ！

あーれー。

（峰打ちだよッ（笑））

婚礼だ！！

（ソルロギスめ～　だましたな～　ぜんっぜん似てねーーーー）

（しめしめ、これでこの島でもおれたち安泰だ。持つべきものはイケメンアニキっと。）

ゲールの王さま、オラフ・アムライヴ・カランさま、ボク、ソルギルス。メシ、ヨロシクっす！

う、うむ。。。

　

.. To be continued.