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オリンポスにさかのぼること幾百年、あるいは幾千年。天王ウラノスの王権は息子クロノスによって奪われ、時代はティターン神族のものとなった。旧き神々の時代である。しかし、いまわの際のウラノスの呪いが成就するときは、着々と近づいていた…。
第二章 巨神戦争 - ティタノマキアー
ウラノスに代わって世界を統べることとなったクロノス。一族のレアーを妻とし、その治世は盤石かにみえた。やがて二人は、6人のこどもたちを産み出す。
男の子は長兄ハーデス、次兄ポセイドン、末弟ゼウス。女の子はヘラ、ヘスティアー、デメテル。
家族は仲睦まじく暮らし…は しなかった。
ああレアーよ、わたしは不安だ。不安不安不安ゥゥゥ!!不安でしょうがない!
クロノス、いったいどうしたというの?
父の呪いの言葉が耳から離れない。わたしは、わたしのこどもたちにこの王権を奪われ、命も取られるというのだ。
そんなのたわごとよ。ヒモのたわごと。
いや、そんなことはない。遊んでばかりいたが父さんの力は確かだった。ああ不安だ。こうなったら先手を打って、こどもたちを滅ぼしてしまうしかない。
え?ちょっとやめてよ。
いいや、やめんぞ。こどもたちをわたしが飲み込んでやるっ!
クロノス、巨神変化!
どどーん!
まずは長兄ハーデスからだ。バリバリバリ。…うーん、なんだか骨ばっていて筋っぽいな。
次は次兄のポセイドンだ。ムシャムシャムシャ。…うーん、なんだかなまぐさいぞ。
ちょっとあなた、やめてよ!
娘たちも食べてしまうぞ。ヘラ、ヘスティアー、そしてデメテル。もぐもぐもぐ。うむ、これはうまい。
ひどい!
(ああ、これではこどもたちは全滅だわ。なんとか末っ子のゼウスだけも守らなければ。よし、いい考えがある。)
おや?レアー、ゼウスはどこだ?
はい、いま産まれたばかりなのでこの中に。
おお、まだ産着にくるまれているのだな。よしよし、いただきます。
ゴリゴリ…うっ、硬っ!歯が折れたぞ!なんだこれは!うーん、しかし安心だ。これですべて食べてやったぞ。わたしの時代も安泰だ。
(ホッ。よかった。あれはただの石。ゼウスなんかじゃないの。これで一安心ね。ゼウスはクレタ島に隠して、ニンフたちにかくまってもらいましょう。)
※えー、ここでマツガいがひとつ。後述しますが、実はクロノスに飲み込まれなかったのはゼウスだけではないそうです。。
やがて…
ゼウスは青年となり、母からすべてを聞かされる。
ひどい、父さん、そんなヒドいことを。兄さんたち、姉さんたちを救わなければ。おや?母さん、その人は?
わたしは、海の神オーケアノスと
これはいったい?
これはワインにカラシを混ぜたもの。
え?…オエッ。
そう、これを飲めばクロノスは、飲み込んだあなたの兄弟姉妹たちを吐き出します。あとは、彼ら彼女らと力をあわせてクロノスを倒すのです。
なるほどー。
おや?君は?誰かな?
クロノス様、こちらをお持ちしました。ことしできたボジョレーです。ヌーボーです。
ほほう。それは殊勝な。いただこう…オエっ!
オエーーーーーーー!なんじゃこりゃーーーー!
ポンっ!
ポンっ!
ポンポンポンっ!
復活!
いや、再生誕!!!
ハーデス!
ポセイドン!
ヘラ!
ヘスティアー!
デメテル!
お帰り!!
…おい、ゼウス、助けてくれてありがたいが、弟のくせに呼び捨てか!?
……いや、おれが先に居たし。あんたらいま産まれたし。順番逆転だろ?
なにーーー!…まあ仕方ないか。復活できただけでもうけもんだな。
さて、ではクロノスの討伐に行くか。
ゼウスよ、みなのものよ、心意気はよいがそなたたちだけでは心もとない。わたしの母、つまりあなたたちの祖母であるガイアが創ったガンプラとゾイドを使うのです。
え?
もとい、ヘカトンケイルとキュクロープスを幽閉地のタルタロス(奈落)から呼び戻し味方にするのです。
←想像図
なるほどー。
(どんなんだろ…)
(わくわく…)
想像図→
復活!
百手巨人ヘカトンケイレス!
※ヘカトンケイレスは複数形。単数形ならヘカトンケイル。
単眼巨人
キュクロ-プス!
おお、ゼウス殿、ご足労痛み入る。我らはそなたと共に、対クロノス革命戦争に参加しよう。その証に、そこもとらにこれを献ずる。
万物を破壊し焼き尽くす雷霆、"Thunderbolts"
大海と大陸を支配する三叉戟、"Tridents"
息、スッキリ(^_^)
姿を隠す帽子と衣、"The One Ring"
おれのは複数個別誘導再突入体付潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)か。
ボクのは光学迷彩ってことだね。
…あんたらいったい…
われら、オリンポス中二神!!
…。おいおい。
ま、ともかくこの武具とそなたたちの協力があれば、ティターンたちも恐くないな!
いざっ!
待ってくれ!おれたちも参加するぞ。
おお、アポロン、アルテミス、ヘパイストス、アレス、ヘルメス、アフロディーテ、それにわしの秘蔵っ子のアテナか。これは心強い。これで我らは、新しき12神と言えるな。
おや?ディオニュソスよ、飲んだくれのお前までも参加してくれるというのか。
おやおや、酒壺のディオニソスが加わるというのなら、この竈のヘスティアーはそろそろ引退かね。よいよい。しっかりと皆に栄養を付けてやってくれよ。ただし、狂乱のアレスには飲ませすぎるでないぞ。あと、マイナスたちにもな…。
…こうして、旧き神々ティターンズと新しき神々オリンポスは、ついに雌雄を決するときを迎えた。
ちゅどどどーん。新世代だじょー。
ティターンズの軍勢は、統一を欠いていた。12神のほか、イーアペトスの息子たるアトラスやメノイティオスも父親と共にティターン軍に加わったが、
空中戦だ! アポロン、アルテミス、覚悟! |
一方で、主力のはずの12神のうちでもテミスとムネーモシュネーは中立を貫き、
オーケアノスと
※ハイ、ここがマツガイでした。。正確には、オーケアノスとテーテュースがヘラをかくまったのは、もっと前の話。あの、クロノスが巨神変化してこどもたちを飲み込もうとしたときのこと。そう、ヘラは、クロノスに食べられていないんだそうです。。。失礼しました。ま、海の夫妻がオリンポスの味方をしてたことは確かだってことで。。。
またイーアペトスの子の中でも先見の明のあるプロメテウスは早くにティターンズを見限り、ゼウスに加勢したという。
エピメテウスはティターンズ側に。左奥ですね。 手前はコイオス?クレイオス? どっちがどっちだか^_^; |
もちろん、母神レアーはゼウスたち6人の兄弟姉妹を支援した。
やがて、ヘカトンケイル、キュクロープス、そして彼らに鍛えられた最新鋭の神々の武具を身にまとい、旧き神々の一部も味方に付けた彼らの前に、クロノスに率いられたティターンズの旧き神々は一人、また一人と屈していった。
ヒューペリオン、あなたの時代は終わったんだよ。早々にこの天から立ち去れ。案ずることはない、この先、太陽は私に任せてくれればよい。ハッハッハ!
お、おのれ、アポロン。。。無念…。
兄さん、わたしもあのぶらさがってるファイト一発兄弟を、このまま射落としちゃっていいかしら?このアルテミスの自慢の弓で。
ああ、アルテミス、
そうしてやるといい。
でもおまえ、パンツ見えてるよ…。
アルテミス秘技!
重力子照射線射出弓、
"Crescent Bow"、
発動!!
ドヒュンッ!
※この写真撮ってみて、気付いたんです。なぜ月の女神アルテミスが同時に、狩りの女神なのかってことに。ええ、夜に遊び、満月に殖えると信じられていた獣との関係もあると思いますヨ。でもそれだけじゃなくて、月って、三日月って、弓の形なんですネ。
お、おのれ~ 空戦はわれらの負けか~ |
地上戦もまた…
"Thunderbolts"!!
バリバリバリ!
"Tridents"、SLBM発射!
ドドーン!
ぐおー!
ハッハッハ!ゼウスのおやじ、どうだ、このアレスの活躍ぶりはッ!乱暴モノだと?いいや、これは、力さッ!このままこの緑の鬼の素っ首、ハネてくれるぜ!
アレスよ…いちおう、お前のおじいちゃんだから敬意は表してくれないか…。
おやじ、甘いぜ!
ふう。ですからお父さま、アレスをここに連れてくるのは反対だったのです。仮にも神聖なるこの戦い、彼がいることでなんだか野蛮なものになってしまいましたわね。
おお、アテナ、お前はいい子だ。
ま、商売人で鍵師で陸上部なボクに言わせれば、戦なんてどんな戦も野蛮なもんだよ。神聖な戦なんてないんだよね。
ヘルメス、お前は現実主義者だな…。
んだとっ!ヘルメス、やんのか!?あ!?
ほーら、野蛮だ。
やめろ、お前たち。それよりヘルメス、ディオニュソスを知らんか?
あ、知ってるよ。ボクは千里眼だからね。何でも、クロノスじいちゃんのキライなからしフレーバーのワインを作るんだって、メティスさんと一緒に葡萄畑の方へ向かったけど、さっきみたら発酵蔵のところで飲んだくれてぐでんぐでんで寝てたよ。真っ赤な顔してさ。
…そ、そうか、あのバカ…。
※"からしワイン"の時はチラっとしか出ていませんでしたが、この方がメティスさんです。女海賊?いえいえ、海の神と海の女神の娘である水の女神オーケアニデスですから^_^; え?むしろカリプソだって??ハ、ハイ…。え?ワイン作りの関係者だから、泉か川の水かだろって?ハ、ハイ…。たぶん、そうですよね。。。
にぎやかなオリンポス一族のほか、キュクロープス、ヘカトンケイレスたちも奮戦した。
おれについてこい!
(アレスよ…。わしらキュクロープスは、お前がヒドいことしてるヘパイストス殿の友達なんだがな…。毎日工房で工作三昧の、な。お前と違って知的で寡黙で器用な兄だ。女にだけは不器用だがな。なのになぜ、お前がわしらを仕切る…。気に入らんな…。)
あら、父さま、ハーデスのおじさま、まだてこずっているの?天空の方はもう平定しましたことよ。いまはほら、兄さまが太陽を、そして私が月を、それぞれ動かしています。月は軽いから、重力を操る私の弓にかかればカンタンです。ふふふ。
だ、大地も、も、もうすぐだよ…。
あら、ヘパイストス兄さん、いたの?地味だから気付かなかったわ。ケラケラケラ。
…。
(ああ、アルテミス、またパンツが…。お前はやんちゃすぎるのではないか??兄は心配だ…。)
よし、クロノス、いや、おやじッ!さらばだ! これで最後だーーーー! バリバリ!バリバリバリ! |
う、お、おのれゼウス。おのれこどもたちよ…強くなったな…。もう、わしらに出来ることは何もない。さらばだ。
…おやじ、涅槃で待て。
新しい世代による、新しい世界の誕生の瞬間だった。