2015年6月19日金曜日

Jun 2015 - Chapter 5 


なにやら、発酵学者、細菌学者、菌類学者、経済学者、総出の割には結局は民俗学者的な展開になってしまった、リケ女、文系にハマる!的な『PBC 地球伝説 - ちいさなちいさないきもの』

果たして、「醍醐」は、何だったのか?そのもうひとつの解釈が明らかに?エンドロール、あとがきと共に、もう少しだけお付き合いください。


第五章 北の草原から来た、デーヴァ




ベエー

ベエー


特別出演

ロベルティーニ農場の
ロバートさん


ベエー

ベエー


特別出演

ロベルティーノ農場の
ロレッタちゃん





モウー

モウー


ドイツの農婦




ミルク、おいしいネ

特別出演

ハンナ・ジョースターさん
ちのネコ

酪農と

発酵は

ウシたち
ヤギたちと

ともに



エールでカンパーイ!


特別出演

ノルマン王朝開祖

ウィリアム一世
イングランド征服王
a.k.a.
ノルマンディー公
ギョーム二世


トラピストビールでカンパーイ!

特別出演

修道士



洋上で、
I.P.A.でカンパーイ!

特別出演

東インド会社
East India Company
カニンガム提督
Sir Admiral Cunningham






カンパーイ!

酒は

発酵は

麦と共にッ

酵母と共にッ




お客さま、日ごろご愛顧いただき、誠にありがとうございます。

投資家の皆さま、ご支援、あわせてお礼申し上げます。

これからも、ウォルフェン・ホールディングス、ウォルフェン・フーズ、ウォルフェン・ラクティック・プロダクツ、そして来月設立予定のウォルフェン・リカーズを、ヨロシクお願いします!



…そもそもルシフェリンと呼ばれる物質は…

ハイハイハイ^_^;


帽子、光ってますね^_^;



うぃー

ベエー
モウー
メエー

ヒックヒック


やれやれだわね。

みんな、はしゃぎすぎね。




我が

ウォルフェン

・ホールディングスの

発酵力はッ


世界イチィィィィ!



ワガ

キノコノ

ハッコウリョクハ

セイブツカイイチィィィ!

by タマゴタケ

(ホント!?)



我が

ウォルフェン

・ホールディングスの

成長力はッ!

宇宙イチィィィ!



ギョっ!


…キャーーー!

カビよ!カビ!
アオカビ!

キラワナイデ(T_T)

by P.クリソゲヌム



イングランドよ、永遠に。

ブリティッシュエールよ、

永遠にっ!



あー!

もうなんだかわからないッ!

ボクが何を言っても…

無駄無駄無駄無駄
      無駄ァァァ!






で、、、アナタたち。

マルヴァ。

ちょっとここにおいで。

アナタ、

研究が甘いわよ?


…え?

…マ、おばあちゃん、

どゆこと?

「醍醐」の話です。

あれは、ヨーグルトではありません。

もちろん、チーズでも、バターでも、ない。



あれは…「アムリタ」そのものです。





…えっ!!






ね、崔准教授。

…あ、えっと、、、ハ、ハイ。そうです。ボクはそのように考えてます。ええ、ディレクターとしてじゃなくって学者としての立場で言うなら、ええ…。

な、なにーーー!

い、いまさらっ!

いまさら何を言うの、崔さんッ!

まあまあ、マルヴァ、聴きなさい。


いいですか?あなたは、『大般涅槃経』に示された"五味"を研究し、「醍醐」のナゾに迫ろうとしましたね。その志や、よし。しかし、この「5」という数字を忘れてはいませんか?

さきほど話題に出た、「panchamrita」。あれをもっと素直にごらんなさい。サンスクリット語で、"panca"は「5」を意味します。そして、"amrita"は、そう、あのアムリタ。なぜ「5」なのか?これは、ハチミツ、砂糖、ミルク、ヨーグルト、そして澄ましバターであるghee、この5つを混ぜ合わせた究極の、"神々の飲み物"、それこそが、「panchamrita」。

そう、これが、「醍醐」です。

ヨーグルトでも、チーズでも、バターでもない。さまざまな乳製品とハチミツと砂糖を混ぜ合わせた、古代最高の贅沢品にして健康食品。これが…「醍醐」!

そしてその名の、「醍」にもっと注目なさい。崔さん、解説してあげて。

ハ、ハイ…

神々の食物。神々とは?古代インドの神々とは?そう、デーヴァ神族。その文字は、漢字文化圏では、、、「提婆」と書きます。例えば…

釈迦の弟子として知られる提婆達多Devadatta、この名も、"天(deva)に与えられた"という意味です。

そう、密教における諸仏、すなわち如来菩薩明王天部。その「天部」というのは、バラモンやヒンドゥーの教えにおけるDevaを漢訳したものです。つまり、devaすなわち神を、意訳したのが「天部」、音訳したのが「提婆」です。

つまり…この「提」の文字と「醍」の文字の共通のツクリである「是」の部分は、サンスクリット語やパーリ語における「deva」を意味(音訳)しているんです。

さきほどマルヴァさんがおっしゃった、「醍醐」の「醐」の「胡」が、西北から東北までの北アジアの遊牧民や商業民を表していた、旧くはペルシア系の、後にはテュルク系やモンゴル系の民族を表していたことは明らか。ゆえに、「醐」が、北アジア経由で伝わった発酵食品であることを示している、という説には賛成です。

そして、これに加えて「醍」です。これが、devaだとすれば…

つまり「醍醐」とはッ!北アジア経由で伝わった、神々の、デーヴァ神族の、発酵食品、すなわち…アムリタっ!


…さすが崔准教授。おもしろいですね。



おそらく、『大般涅槃経』における"五味"の5番目にこの「醍醐」が数えられたのは、panchamritaのpanc、つまり、5種の食品や飲料を混ぜ合わせたという意味の「5」が、5つの中で最高の、という風に、歴史の中で取り違えられていった、あるいは言い換えられていったからではないでしょうか。

ブラーヴォ!

お見事です、

崔准教授!

我が社がこの夏に発売する、不老不死に効く究極の発酵食品、『wolfen panchamrita』の宣伝にピッタリな学説です!



…え?




みなさーん、これからも、ウォルフェンを、ヨロシク!!





-完-