2016年1月11日月曜日

Jan 2016 MONKEY FANTASTIC! 02 


観世音菩薩の導きにより、西の星系アルデバランを目指すこととなった一行。オニキス、ゴクウ、ゴジョウ、ハッカイは、ナゾの天馬ジェイドラゴンの亜空間飛行能力により一気に光速を超えていた。その頃、別の銀河でさまざまなはかりごとがめぐらされていたことを、一行は知る由もなかった。

『Space Journey to the West』、第二回配本、お届けします。はじまりはじまり~





第六回 老人、部下たちに命を下す の巻 


ふあーあ。眠い眠い。

うむ、だがいまだけはチョコッと働かないといけないね。何せ、ブッダの弟子たちだけでは少々心もとないからさ。

ゴクウ、ゴジョウ、それにハッカイ。彼らにちょっとばかりちょっかいを…いや違った、手を貸してやろうかね。

だけどイヤだイヤだ、働くのはイヤだ。誰かわしの代わりに動いてくれないかなーっと。。



- ここは、オニキス一行のいるベテルギウス星系からは遠く離れた、おおぐま座条約機構統括領の一部、ホクトと呼ばれる区域。遥かな昔にこの男の一派、すなわち無為自然派-あるいは半ば憧憬を込めて「ヤダヤダヤダヤダ、労働はゴメンだ!」派と呼ばれた-によって聖地とされ、強大なこの男の手で半ば独立不可侵の地位を勝ち取った、宇宙でも希有な星域である。

おおぐま座条約機構とは近しい関係にあるこぐま座帝国の首都たる三重連星ポラリスの第一恒星、その周囲をまわる惑星モントルーに居住する、全宇宙を統べた四大帝のひとり、すなわちディープ・パープル128世(紫微大帝や、その四大帝のリーダーにしてかつて銀河皇帝の中の銀河皇帝"ハイエンペラー"と称された旧帝室の末裔、すなわちジェイド・ハイランダー256世(玉皇上帝とも親しい。

すでに全宇宙の皇帝としての権力を喪ったディープ・パープル128世とこぐま座帝国や、ジェイド・ハイランダー率いるハイランダー帝国がいまだに宇宙の尊崇を集めていられるのもひとえに、彼らの友人たるこの男の力と人望によるものと噂される -

彼の名は…

そう、彼の名は…


老子さま、お呼びになりましたか?

ん?おぬしは?おぬし、確かおおいぬ座同盟のシリウス星系で修行中の身ではなかったか?楊戩よ。

いやだなあ老子さま、ここでは、いや少なくともこの演目では、ボクのことは顕聖二郎真君って呼んでください。『封神演義』じゃあないんだから。


名などどうでもいいわい。だいたいなんでわしがおぬしを尊称で呼ばねばならん。それを言うならおぬしこそ、わしのことは太上老君グランド・オールド・マスターと呼びなさい。

あ、じゃあ気軽にジローってのでも…

どうでもいいと言っておるじゃろうが^_^; メンドウなのはわしは好かん。それよりおぬし、確か三尖両刃刀を持ってたはずだが、きょうは二刀流か?

ええ、三本だとゾロとかぶりますので。

ゾロって誰?^_^;何も刀にしなくてもポセイドンのトライデント借りてくればいいのに…。あれはポールウェポンだろうに。



もとい、修行はどうした?かれこれ3万年ほどになるかな?どうだ、新しい技は完成したのか?

ええ、もちろんです!シリウス星系に行った甲斐がありました!

先代の咬天犬もよく仕えてくれましたが、この新しい咬天犬、名付けてインターセプターはさらにすごい!


インターセプターっ!
みせてやれっ!

スペース・バイト・ファング!!


ワン
ワン
ワン!



こらこらこら、わしに向かって放つでないわ^_^;

す、すみません。。

それに、なにやらどこかで聞いたような名の犬じゃな。

は、はあ。。FFシリーズですかね?

まあよい。何事も自然体が一番。武人の気質のおぬしが血気盛んなのも仕方のないこと。じゃがな、呼んだのはおぬしのことではないのじゃ。

そ、そうなんですか。。では誰を?

うむ。


老子サマー!

ボクタチデスヨネ!

太上老君ノ仙丹炉ノ番人ヲ務メル、コノ、金角・銀角、ヒト呼ンデ、 兄弟戦士ホーンブラザーズデス!!

ボクハ兄ノゴールデンサックス!
ボクハ弟ノシルバーフルート!

シルバーは女の子プレモという設定なので、、宝塚的なということで。。

そうじゃそうじゃ、よく来た。どれひとつわしの使いにひとっ走り行ってくれるか?その自慢のスケートで。

オヤスイゴヨウデスヨ!

よしよし、良い子らじゃ。ではな、おぬしたちにそのヒョウタンスパークリングワインのボトル、名付けて紅葫蘆(クリムゾン・カラバッシュ)を預けるから。こいつであのゴクウをな…いや待て、もそっとこっちへ寄れ。ナイショ話じゃぞ。

ハイッ!グランド・オールド・マスター!

ごにょごにょごにょ ごにょごにょごにょ

ワカリマシタ!!



こうして、金角・銀角の兄弟は、ゴクウたち一行の元へと遣わされた。

いっぽう二郎真君は、、、

わざわざ来たのに…

…ちょっとヒマだった…。


第七回 妖怪仙人、悟空たちを待ち伏せする の巻 


そしてヒヤデスの近傍。くだんのアルデバラン星系と関わる とある惑星では、何やら不穏な空気が漂っていた。。


おい、プロポリリスよ、聞いたか?

ええ、ベルゼバブ、もちろんよ。

そうか。やはり噂はホントウらしいな。聖なる乙女とコザルの一行がこの星を通過するというのは。


そうよ、なんでもやつらは、アルデバランを目指してるそうだけど、キング・バッファローさまが展開している船団の斥候が報告してきたところによると、それらしき質量がこっちに向かっているというの。

わたしの部の民ホーネットファミリーが、ハニービー一家を襲撃した帰りに、斥候たちが報告のために飛んでいくのに遭遇して、立ち聞きしたのよ。


なーに、おおかた旧式のGPSでも使って座標をマツガエたんだろうさ。

なんにしても、これはチャンスよね。

そうだな。おれたちにもツキが回って来たってもんだ。あのオニキスって女を喰らえば、不老不死になるっていうじゃあないか。

そう、何せ、最近じゃ珍しい、純粋種らしいからね。

おれたちヨウモノがこうしてここにいられるのも、あのバッファロー王のキマグレによるもの。いつ何時、やっかいものとして討伐されるとも限らん。ここは抜け駆けして、おれたちこそが不老不死の存在になっておかねば、安心して夜も眠れないからな。これは、チャンスだぞ、プロポリリス。

ええ、そうね、ベルゼバブ。約束通り、分け前は半々よ。

安心しろ。アクマは契約は守る。



で、プロポリリスよ、やつらを捕える作戦だが…

うん?

まずおれがああしてこうして、そしたらお前がそうしてどうして…

ふんふん…わるくないわね。

だろ?



ブブーン…

ややっ。プロポリリスよ、女王蜂よ、

感じるか?

やつらが、、

ついに、、、

来たな。





ええ、ベルゼバブ、蠅の王よ、

感じるわ。

来たわ。


ワクワク
ドキドキ
ワクワク…



ドキワクドキワク…

…シーン…

??ベルゼバブ、なんだかおかしな感じが…

??プロポリリス、これは、なんだ??

ブブーン…



ヒヒヒヒーン!!!

バササッ
(翼ではなく尾を振った音)


ウ、ウワーーッ!!


で、でたーーー!
(>_<)

吹っ飛ばされたーー!



ぐ、ぐ、、、イ、イタイ…

こんな、はず、じゃ…


い、いきなり実体化なんて…

ズ、ズルい…



亜空間飛行の、、、

ルール無視か…


…ガクッ…



…プハーッ!!

あー、苦しかったゾ


まったくだ。まさか亜空間には酸素がないなんてな。わたしたちは進化しててもあの酸素からは抜け出せないからな。

これなら藍藻の遺伝子も取り込んでおくんだったねえ。

だな。

ん?あれはなんだ??

なんだなんだ?

ハチと…ハエ…みたいだね…。

こんなところで何してんだ?

どうも、ダウンしてるみたいだな。ジェイドラゴンが跳ね飛ばしたんじゃないか?

いや、知らんな。

きっと、宇宙が冷えているから、昆虫系の部族にはつらいのよ。暑いところのものだから、本来は。

なるほど、オニキスの言うとおりかもな。かわいそうに。

丁重にとむらってやろう。ナムナム…


(ぐぐっ、おれたちは/わたしたちは、、まだ、シんでないぞ…それにしても、ハロウィン出演中止に続いてまたもやこんな端役…口惜しや…  ガクッ)


第八回 悟空、名前を呼ばれる の巻 


さて、ジェイドラゴン、飛んできたのはいいが、ここはどこだ?もうアルデバランなのか?

んー、なんだかちょっと違うような…


うむ。ゴジョウ、ゴクウ、すまぬな。どうも座標を誤って入力したようだ。近いがここは、アルデバランではない。その領土のひとつとなっている、ヒヤデス星団の近くだ。

おいおい、頼むぜー、突然跳んだと思ったら、マツガエたあ?

ヒヤデス…。本来なら、幼き星が力みなぎっているはずのこの地…



オーイ、ゴクウ!


ん?オニキス、なんだって?

え?だから、幼き星が…

いや、じゃなくっていまオレさまを呼んだか?

いいえ?

おっかしいな。どこからかオレさまを呼ぶ声が聴こえたような…。


オーイ、ゴクウ!!


ホラ、やっぱり。

そおう?何も聞こえないわよ?


おーーーい!
ソン・
  ゴクウ!!!


なんだー!!?
オレさまを気安く呼ぶのは、
誰だーー?




ん?ん???

なんかヘンだぞ、

カ、カラダが、、、

吸い寄せられる~~(@_@

う、うわ~!


ゴ、ゴクウ!
おい、兄い、だいじょうぶかーーー


ビュビュンっシュパ!



ヨーシ、ソンゴクウ、ゲーット\(^o^)/

サルザケ セイサク ジュンビ カンリョウ デスネ\(^o^)/

サスガ ボクタチ ホーンブラザーズ!!

おいっ、ハッカイ、あれをみろ。どうやらゴクウの兄いは、あのホッケーロボットみたいなやつらの持ってるワインボトルの中に吸い込まれたようだな。

あれは、、紅葫蘆(クリムゾン・カラバッシュ)とか琥珀浄瓶(アンバー・クリスタル)とか呼ばれる、太上老君のアイテムじゃあないのか?

※ここでゴジョウ君がひとつマツガエているのは、紅葫蘆と琥珀浄瓶は本来別のアイテムだってこと。実は金角・銀角は5つの宝具を持ってるんだそうです。ヒョウタンが有名だけどね。



ハ、ハッカイだね、、、
あ、ちがった
ヤ、ヤッカイだね、、、

ゴジョウ、ハッカイ、何ボーっとしてるの?ゴクウを助けて!!

わ、わかったよ。ゴジョウ、い、いくぞー。って、あ、あれ?あいつらの姿が、き、消える??



ヨシ!

オツカイハ スンダシ

トットト テッシュウダ!

テッシュウダ!

ぶぶーーーーん


第九回 二郎真君、悟空を試す の巻 


ロウシサマ、イイツケドオリ、サルザケヲ カッテマイリマシタ!

マイリマシタ!

こらこら、おまえたちあんまりそれを振るでない。ホントウに猿酒になってしまうぞ。


…マ、マスター。猿酒とはサルが飲む果実の酒であって、サルで作る酒ではないのでは…

…えー、コホン。ジロー、細かいことをいちいち気にするのがおまえのよくないところだな。。



まあいい、さて、サックスにフルート、それをこっちへ。

ハイ、マスター!

デモイッタイ、ドウスルノデスカ?


ん?そりゃこうして逆さにしてな…

ア、アッ!マスター、ソンナコトシタラ…

いいんじゃいいんじゃ、これで。

セッカク トッテ キタノニ…。

うむうむ。ご苦労だったぞ、二人とも。

ホメラレター!  ラレター!


ゴボゴボっゴボッ

シュタッ!


ぷはーーー!再び苦しかった~(T_T) てっめー!何しやがんだーー!こんな瓶に閉じ込めやがって、ゆーるーさーん!

こ、こら、サル、やめろっ、控えろっ。このお方を誰だと心得るっ。

知るかーーー!いたずらしたらちゃんとバツを受けろってんだ!ジャマするならおまえもこの如意棒でオシオキするぞーー…

…って、あれ?おまえもしかして…


そうだ、ボクだよ。ジローだよ。顕聖二郎真君だよ。よくいろんなところでキミとは闘ってきた、あのジローだよ。

また遭ったね。そしていまだに、暴れん坊なんだね。噂でブッダに帰依して、ハイプリエステスの供をしているって聞いたから、すっかり回心したかと思ったら。こんなところで暴れるなら、ボクが相手になるよ。カクゴはいいかい??

ジ、ジロー…



ジローっ!おまえの仕業か、このジローめっ。ならなおさら許さねーー!昔っからオレさまは、おまえのことがキライなんだよ、この二枚目のお坊ちゃんの武道一徹ヤローめっ!

とやーっ


ゴクウよ、やめんかっ。



あ、あんたは?

わしは、グランド・オールド・マスター。太上老君。はじめまして、かな。

…誰だ?ふん、まあいいや。じじいは後な。そこで待ってろっ。


… え … (わ、わしを知らない?わ、わし、最近あまり有名じゃないのか?(T_T)この怠惰スーツの中で安逸に眠っているあいだに、わしの時代は過ぎ去ったのか?最近は流行り廃りがはげしいっていうから…。あ、それでこのゴクウも、タオを見限って仏門に関心を?う、、さみしいのお(T_T))


さあ、ジロー、ここで遭ったが百万年。決着をつけようぜ。覚悟はいいかっ。

キミこそ、ボクが長らく修行をしてきた成果を身を持って体験することになるだろうね。そうだ、宇宙を救う役目、キング・バッファロー討伐、キミにはちょっと荷が重いだろう?ここでキミを倒して、このボクがオニキスの護衛隊長に名乗り出てやることにしようか?フフフ。

うー、その喋り方が気にくわねーんだよっ!くらえ、如意棒、アズ・ユー・ウィー…


ふふふ。インターセプター、いけっ!




第十回 蓮の精、悟空に再戦を挑む の巻

ワンワンワン!!

おわっ!い、イヌかっ!イヌはニガテだぜっ。って、オレさまはベ、ベツにサルじゃねーけどなっ。それでもイヌは、ニガテだぜっ。ジローっ、ジローっ!やめさせろー(T_T)

ハッハッハ!
あいかわずの
バカヅラだな、
エテ公の
 ソン・ゴクウよ!


誰だっ。オレさまをエテ公って呼んだのは、誰だっ。あいつかっ?

おや、あれは…


やいやいじじい、あいつもおまえの一味か?オレさまが一緒にやっちゃっていいのか?ええ?

ほおほお、あやつもやってきてしまったか…。さそり座方面にまですでに話が飛び火したとは、、こりゃ宇宙規模の大混乱じゃわい。やれやれ。。

おや、老子さま、あれは、彼ですね?これはおもしろくなってきました。ゴクウ、やつを覚えていないのかい?




ドゥン!ドゥン!!

おれの名は…哪吒。右手には火尖槍、左手には手には乾坤圏、背に混天綾を背負い、両の脚には風火輪!全身宝貝の宝貝人間、哪吒太子(なたたいし)…。

ホクトの財務長官にして守備隊司令を務め、銀河北辰一刀流開祖にして惑星ランカの元首を拝命する、ヤクシャ族の族長、毘沙門天 クベーラが一子。いや、いまはその父との意見の相違ゆえに持って生まれた身体を丁重に返し、こうしてブッダブランドのロータス・リーフやロータス・ルーツで合成した強化身体を手に入れた、宇宙最強のアンドロイド。我が名は、哪吒。

サル、ひさしぶりだな…。

※この四種の武装は本来『封神演義』登場時のもので、こちらの物語では砍妖刀(かんようとう)・縛妖索(ばくようさく)・降妖杵(こうようしょ)・綉毬(しゅうきゅう)・火輪(かりん)を持っているべきですが、geneの好みによりこの演目でも封神バージョンでお届けします^_^;

…誰だ?レンコンニンゲンだって?

ふん。サルだけに、物覚えがワルいようだな。きさまがカウボーイをしてたころ、と言えば思い出すか?

ああ!

おまえ、あのナタクか!オレさまが大暴れしてたらやってきて、討伐とかいいながらオレさまに返り討ちにされちゃったあの!確かあのあと、おまえがジローに助けを求めて、ジローとオレさまが一騎討ちになった…。って、おまえ、オレさまに負けたんじゃないかっ。

…ナタクではない、ナタだ。漢字も読めんのか、このサルめ。

ゴクウ、いまのナタクンを甘くみないほうがいいよー。彼、キミに負けたのが悔しくて、あれからずっと、無法地帯と呼ばれるさそり座の巨星アンタレスでキビシイ修行に励んできたんだから。かのオリオン座連邦の黒い三連星軍とも単機で渡り合える強さを手に入れたってもっぱらの評判だから、前のようにはいかないよ…。

ふんっ。ジローめ、余計なことを。それからおれのことをナタクンなどと呼ぶな。それが読み方がマツガエられた原因なんじゃないのか…。

※違います^_^;

まあいい。さあ、サル、かかってこい。アンタレスの燃える炎でパワーアップした火尖槍の力をみせてやる。



なっにっー!やるかー!ヨワムシナタクちゃんのくせに!再戦たあいい度胸じゃあないか!ジロー、おまえこんどは手を出すなよっ。一対一の、タイマン勝負だ!

ふん、望むところだ。早くしろ、馬係のエテ公め。ヒッパオンのきさまの膝を、グッパオンと切り裂いてやる。

こいつめーー!おこったぞー!





でやーーー!





ふん。棒切れでこの火尖槍や乾坤圏に勝てるとでも?

うお、ビリビリとした雰囲気、大地と大気のエネルギーがやつら二人に吸い寄せられていく。こりゃすごい。どっちが勝っても、惑星の半分、いや北斗の半分くらいは吹き飛ぶかもな。まずいことになった。でも武人の気性か、ボクはこの戦いを見届けたい…。


破っっっ!!

ええい、
ゴクウ!
ナタ!

どっちも
やめんかっ!

つまみ出すぞ!

ジローも、黙って観てないで、止めんか。ホクトに災いをもたらすでないわい。ヒマならいっそ、ナタと一緒におうし座へ行って、やつらをなんとかしてこんか。このバカモノどもめっ。

いや、ですから、ボクはこうして出向いてきたのに、あなたがホーンブラザーズに言いつけしたり、ゴクウを呼び出したり、、、いったい何なんですか…。ボクはがっかりですよ。

…おれも、わざわざ修行を中断してこうしてやってきてやったのだ。オリオン座とはちょっとばかり因縁もある。隣のおうし座をおれに断りなく「牛」耳ってるやつがいるなら、おれの出番だろう。



じゃからそれはコッソリやれというに。観音のやつが、オニキスという小娘とこのゴクウたちを選んでことを進めているのじゃ。なにもブッダ一派とムダに揉め事をおこすこともあるまい。わしのようにじゃな、こうしてこっそりじゃな、ゴクウを呼びつけて…

よいかゴクウ、わしはなにもおまえにわるさするつもりなぞないわい。ちょっとばかしお前にな、知恵と力を授けてやろうとじゃな。ほれ、おまえのあの、本来の…。

知・る・かー!!


オレさまはオレさまのやりたいようにやるっ!そうでなくてもあの小娘にこんな輪っかつけられて、自由にできなくってイライラしてんだいっ。この上更に、おまえたちタオのやつらのいいなりになんて、なるものかっ。おまえらとは、あのピーチ・パーティ事件の時以来、ゼッコウしてんだいっ。

いいかっ。じじいっ。おまえ、こんど断りもなくオレさまを呼びだしたり連れ去ったりしてみろ。このホクトはもとより、おおぐま座こぐま座ごと、吹っ飛ばしてやるからな!まったくっ!(怒)

それからジローにナタクっ!おまえらも余計な手出しはすんなっ。キング・バッファローは、おれが倒すっ。おまえらはここからそいつを見物でもしてなっ!

---

こうして、大見栄を切ったソン・ゴクウは、サマーソルト号を駆って、元いた星域、おうし座のヒヤデス星団を目指した。


あー、、、ムダに時間くったぜ。いったいなんだったんだ。オニキスたち、まだ待っててくれるかなあ。って、いったいここから何年かかるんだ??チクショー



ところで老子のじいさん、いったいなぜゴクウを呼びつけたりしたんだ?智慧を授けるだけなら何もここに連れてこなくてもいいだろう。使いに伝えさせれば。時間の無駄だぞ。

確かに。マスター、なぜです?

うむ。それはな。。。あれをゴクウたちに返してやろうかと思ってな。


???


ま、やーめたっと。

どっちみち、ハッカイのは見つかってないし、ゴジョウのもゴクウのも、勝手なことしたらブッダ一派のやつらがゼッタイ抗議しにくるもんね。めんどうはやだやだ。やーめたっ。

???

ほれほれ、おまえたちは修行に戻りなさい。わしは一眠りするから。

???

(つづく)