2016年1月17日日曜日

Jan 2016 MONKEY FANTASTIC! 05 


なんと、ゴクウとキング・バッファローが幼馴染だった!かつて大宇宙を駆け回った、ボウソウ賊の二人、そしてレディース"羅刹女"のアイアン。ガラにもなく怯えていたバッファロー王も、ようやく気分が落ち着いたかと思った矢先に、さらなるキョウフが待ち受けていた!?

えーと。結局、またもや長編化してしまいました^_^;

『Space Journey to the West』、第五回配本。そろそろ終幕かっ!?





第二十一回 一角獣、降臨す の巻 


ぐおんぐおんぐおん

グオングオングオン

愚音 愚音 愚音


…。



モーパー…

モーパー…

モーパー…


ギュオーン…

ギュオーン…

牛…音…




ギュイーン!
牛ーーー引ーーーーー!!!


モウ モウ

猛 猛



あっ!あれはっ!


ゴクウ、あいつだっ!あいつが、おれにキョウフの大王の話を教えてくれた…

何だって?
"テキサス・バッファローズ"のパシリをしてた、臆病者の…

おお、ありゃ、カーチス、サイ・カーチスじゃねえか!!確か通り名は…モノホーン(獨角兕大王)だったっけか?

そうだっ。やつが、やつが…

やいやいやい、モノホーン、いや、カーチス!おまえー、臆病者がヘッドを脅かしてどうするんだよーーー。

コ、コゾウ、マエニ、アッタナ…

オマエニハ、イジメラレタ、キオクガ、アル…

いじめてねーよっ!缶コーヒー買いに行かせただけだろーがっ。

ソレガ、イヤダッタ、ノダ…


ごちゃごちゃうるせーなっ。それよりおまえ、バイソンに謝れよっ。

てやーーー!


ゴクウっ!気を付けろ、そいつはもう、昔のあのパシリのカーチスじゃあねえんだっ。やつは、やつは、ロックの力で…

かんけーねーよッ!






くらえっ。
如意棒ッ!

ヤーー!

メタル…

ハード…

プレグレッシブ…

ロッケンロール!!!





う、うわーーーーー!!


第二十二回 太上老君、助太刀する の巻 

ややっ。老子さま、下界を、いやチガッた、おうし座をご覧ください。あれはっ?

…戦いの気配がするな…

…さっきまでの茶番とは違う、ホンモノの闘いの…

あーあ。やっぱり、あいつだったか。やれやれ、まったく困ったちゃんだなあ。あー、めんどくさいめんどくさい。いや、こればっかりは、ちゃんとやらないとね。わしのせいじゃからな。

??老子さま??

オヤ?モシカシテ、ボクタチノ、デバンカナ?

カナ?

ジローよ、ワルいんだけどちょっとお使いに行ってきてくれないかな?

…こんどはボクですか…

イヤなの?

…いえ…

…じじい、助っ人ならおれが行くが…

うーん、そうだねえ、じゃあ、ナタクンにも行ってもらおうかな。

…じじい、てめえまで、ナタクンとか言うんじゃねえ。おれは、ナタだ…

はいはい、わかったわかった。だから名前なんてどうでもいいじゃろに。

で、老子さま、お使いって?

…闘いだろう?…

うーんとね、これ、持って行ってほしいんだけど。


こ、これは?

…何やら、すさまじい闘気が感じられるな…

た、確かに。。


そう。さすがだね、ナタクン、ジロー。



これはね、ブッダから預かっている、ゴクウとゴジョウの本体だよ。ホントはハッカイのも一緒に持って行ってほしかったんだけど、あれだけ遠くに置いてあってね。でもダイジョウブ。昨日ポチっとしておいたから、すぐに届くよ。あー、プレミアム会員になっててよかった\(^o^)/

…何の話ですか、老子さま…まさかこれ、通販で??…

いやだから、預かったんだってば。ハッカイのはちょっと大きくて、ミルキーウェイ銀河の、とある懐かしい恒星系の、第三惑星の、そのまた衛星に、おいてあるんだよね。なんでも、ハッカイに縁のある女性がいる星らしいけど、昨日さっそく、発送通知が届いてたから、ダイジョウブ。

は、はあ。。で、このオレンジのは?

ああ、それはね…フフフ(笑)

(なんなんだ、このじいさんは^_^; 気味ワルイったらないや。)
(…まったくだな…まあいい、行こうか…)


第二十三回 悟空、獨角兕大王と対峙する の巻 


オラオラオラ!どうした、この一本角ヤロウの、モノホーンめっ!そのツノは伊達か?酔狂か?モノホンならなんか攻撃してみやがれっ。

ゴクウ、あぶないっ!

ん?おわっ!


ジジジ!!



ぐ、ぐぐ、、しーびーれーるーーーーー(T_T)

ああ、あれが、やつのエレキギター(電気琵琶)から繰り出される電気信号を、ピックアップで増幅してあのツノに貯め、そして一気に放電する恐るべき必殺技、その名も…

ユニコーンじゃけん!!

伝説のユニコーンとは違うが、油断したらダメだ、あれは、あいつは、モノホーンは、ギターはヘタだが、そのモノホンさは、ホンモノのユニコーンと同等なんだっ。




ギュイーン、ギュイーン、ギュイーン…

ギュウ・マオウ、ツギハ、オマエ、ダ…

おい、待て、まずは話をしようじゃないか…


オマエト、ハナスコトハ、モウ、ナイ…

アトハ、ムスコニ、マカセテ、イケ…


な、なんだって!?カーフが、クリムゾン=カーフがなんだって!?


うわーーーーっ!



バッファロー、バイソン、イヤ、ギュウ・マオウ、オソルルニ、タラズ…

ヒャハハ!モノホーンの叔父さん、やったネ!オヤジをぶっ倒してくれちゃったね!これでこの星は、いやおうし座は、約束通り、ボクちんのもんだねっ!

ちゃんと言いつけを守って、オヤジにキョウフの大王の話を信じ込ませて、バナナ・ファン(芭蕉扇)もとってこさせて、んでもってその噂を流して、オニキスとソン・ゴクウたちをこの星におびきよせたヨ。ボクちん、えらい?えらい?

ちょっと、あんたっ、カーフっ。あんたそんなことしてたの?なんなの?父を裏切って、そんな青白いヘンな顔色のいきものに着こうっての?この、親不孝者!

紅孩児、、キモいキモいとは思ってたけど、ショウネまでキモいとは…


(うー、トンボメガネヤロウ、サイテイだな。。)

(うー、でも、あのユニコーンヤロウに勝てそうな気がしない…。兄ぃも、バイソンも、どっちも一撃でやられちゃうなんて、あのツノ、マジにヤバいよ。こんな柔らかいブクブクスーツじゃあすぐに焼豚になっちゃう。ああ、こんなときに、アレがあればなあ、、、ってそんなこと言っても仕方ないか…)

母さん、それにジェイド、何を騒いでいるんだい?ボクちんは、このタウラス王国の国王。プリンス・クリムゾン=カーフ改め、キング・クリムゾンだよっ。

ホラ、こうして、バナナ・ファン(芭蕉扇)もボクちんの手の内に。さあ、みんな、ひれ伏すんだっ!ヒャハハっ!

こーのー、バカ息子めっ!

ヒャハハ!何とでも言うといいヤ。ボクちんは、ボクちんは、、この、マウント・ファイヤー(火焔山)の燃え盛る炎を詰め込んだ、ストラトファイアーキャスター(火焔光線銃)と、バナナ・ファンを共に操る、つまり、宇宙の熱量を増やすも減らすも、思いのまま。つ・ま・り、いまや宇宙最強!ヒャハハ!






(ううう、どうしよう…。まずい、マズいよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお(T_T))



ぐ、ぐ、、、カ、カーフ、め、、、この、バカ息子め…父さんは、おまえを、そんな風に育てた覚えは…


…ゴ、ゴクウの連れのブタ君とカッパ君よ、皆を連れて、、、、逃げろ…


…ぐふっ、何やら、水の音が、き、聴こえるな…そろそろ、アタマもやられてきた、か…



…ゴボゴボゴボゴボ…


第二十四回 西海竜王の第三太子、姿を表す の巻 

…ゴボゴボ…

…ゴボゴボ…



…ゴポッ



みんな、逃げろっ!

さあ、オニキス、いまのうちに。あれはダメだ。どうしようもない。あんたはみなを連れて、逃げるんだ。

あ、あなたは、、、誰?

君が良く知っている者だよ、オニキス。

???



わたしは、ジェイドラゴン(玉龍)。

竜族の戦士にして、西海竜王 敖閨 の第三太子。

全宇宙最大の領土を誇る、うみへび座の西部地区を統べる我が父、西海竜王の宝珠を持ち出し、結果、天界に災厄をもたらした罪により、馬の姿に変えられ、天をさまよっていたところを、観音とそなたに救われた。

さあ、ゆけ。こんどはわたしが、そなたを救う番だ。

ジェ、ジェイドラゴン、、、エイリアンだったの??

われわれ竜族は、はるかな昔、ミルキーウェイ銀河のとある惑星に棲息していた爬虫類と鳥類の中間的な種族の子孫。そして、われら海竜一族、つまりうみへび座の者は、宇宙時代になってから、ダンクルオステオス族の者と混血し、水に適応したもの。だからこんな、キミたちとは異なる姿なのだよ。どうか気味わるがらないでおくれ、オニキス。

さあ、こんな話をしている場合ではないっ。オニキス、行きなさい。

で、でも、ジェイドラゴン、あなたは…。

わたしはだいじょうぶだから。この、火と水を操るウェスタン・ドラゴリネット(西竜宝珠)ならば、紅孩児の持っている炎にも氷の扇にも対抗できるし、運が良ければあのモノホーンとかいうやつを打倒せるだろう。

で、でも、水のいきものならあのエレキギターの電気には弱いんじゃ…

…心配いらないよ


(ホントはその通りだけど…わたしはここまでかもな(T_T) みんな、サラバだ… ゴクウ、ハッカイ、ゴジョウ、そしてオニキス。旅は、楽しかったぞ。)


さあ、クリムゾン、いや、紅孩児!そこから降りてくるか、それともそのままそこで、この西竜宝珠の的になるか、選べっ!!


くのー、ウマだかヘビだかしらないけど、偉そうにっ。ストラトファイヤーキャスターを、なめんなヨっ。
炎よ!!

水よ!!

…なーんちって。こっちにしよっ。バナナ・ファン、回れっ!



ク、クリムゾン、ヒキョウサガ、イイナ…ミドコロガ、アルゾ…

ソレニシテモ、アヤツ、メダッテテ、ムカツクナ…





第二十五回 援軍、ようやく到着する の巻 

やややっ。ナタクン、こうしちゃいられない。あっというまに大混戦だ。

…それでも状況は変わらん。あのモノホーンとかいうやつ、ウシなのか、カブトムシなのかわからんが、やつがずばぬけて強いぞ…

カブトムシかあ。そういやカブトムシって、チウゴク語で獨角仙っていうんだっけ?あいつ、カブトムシの遺伝子を取り込んでんのか?

…わからん。いい。いくぞ…

はいはい、まったく、たまに饒舌かと思ったら、また無口か…。やれやれ。



はあはあ、ゴクウ、す、すまんな、わしのバカ息子が…

う、うるせいやい…オ、オレさまは、まだ、負けて、、ねえ…

わ、わしはもう、ダメだ、な、なんだか幻聴が聴こえる…

オレさまも、だぜ。オ、オレさまの大っキライなケモノの声が、、

する、、ぜ…


ワンワンワン
ワンワンワン
ワンワンワン
ワンワンワン
ワンワンワン!!





グワッ!ナ、ナンダ、コノ、ケダモノハッ!


ワンワン
 ワンワン!!

よしっ、いいぞ、いけ!インターセプター!

…おい、ジロー、あの犬を、どかせろ。ジャマだ…


えええ!?せっかくいいところなのにー!ナタクン、わがまま言わずにコラボしてよ、コラボっ!

…知らんな…どかせ…


(T_T)



わああああ!待って待って、まだ撃たないで!インターセプターがいるでしょ!

…ふん、まあいい。おれの火尖槍と乾坤圏は的を外さん。犬コロの脚のあいだを縫って、やつにブチ込んでやるさ…

おいおいおい、だいじょうぶ?ちゃんと狙ってよ(T_T)

さて、じゃあ、モノホーンの脚止めはインターセプターとナタクンに任せて、そのあいだにボクはっと。。。

ゴソゴソ…






ん?なんだ、この感じ。。。だんだん意識が遠のいていく。。。なんだか、カラダからタマシイが抜け出していくような…


あああああ!



…妙だ。。。わたしはたいしたダメージもないのに、意識が朦朧としてきた。。。身体から、霊魂が引き抜かれるような…

うわああああ!



キーンキーンキーン

さーて

イッツァ
ショウ
タ~イム♪


元気、

溌剌ぅ!

っと。




ファイトー…

イッパぁーツぅ!!


お!?おろ!??

おい、ゴジョウ、おまえ、なんだ?その姿は??

おお、ゴクウ、おまえこそ、なんだ、その姿は?

キミのワルい肌の色をした砂の河に潜むカッパのモンスター…って、そういうことか、その黒いボディスーツに、甲羅みてーな装甲。それに、人相のワルイそのツラのキズ。おまえ…

サ・ゴジョウだな!!

そういうおまえこそ、千里を見通す眼に、そのモンキーちっくな色合、おまえ、、

ソン・ゴクウだな!!


そうさ、いま思い出した。これこそ、あの岩の下に封じ込められる前のオレさまの真の姿。5万年前の、オレさまの雄姿!!ちくしょ、ブッダのヤロー、いったいどこにこいつを隠してやがった。あんまりみなかったんで、おれ自身忘れてたじゃねーかっ!

…そうなんだ…

おれは服役中の身だからな。こういう武装は没収されてたのよ。あんなスパイス採掘のための装備じゃあまともに戦えなかったってもんさ。だがもう違うぜ。真のサ・ゴジョウさまの力を、みせてやるっ。


こいっ、アズ・ユー・ウィッシュ(如意棒)っ!!


こいっ、デモン・スレイヤー(降妖宝杖)!!



…あれ?なんだかなつかしい匂いがする…あれは、、塩大福、、、じゃなくって、潮の香…しかも、、、あれは、、、クイーン・ジョウガの引き起こす、満ち汐の香だっ!❤

それに、一緒にオイルのニオイも…

ああ、ジョウガ、キミがボクにたぶらかされたんじゃなく、ボクと付き合っていたという証拠、キミがくれたあの、竜族からもらったっていう、高速艇ドラゴン・ネックレス(竜の頸の珠)に乗っているときのようだよ…


…って、あれ?あれれ?あそこに飛んでいるのは…ま、まさかっ!!





おおお!


あれはっ!

まぎれもなく、ボクの、ドラゴン・ネックレス!!ボクをして、ミルキーウェイ銀河防衛艦隊司令長官の地位にまで上らしめた、その最初の武功を立てさせてくれた、幸運の船!!

ドラゴン・ネックレスだあ!!

やったー!どこから来たかはわかんないけど、戻ってきたーーー\(^o^)/


よっし、乗り込むぞっ!こんなブタちゃんスーツは脱いでっと。。これ、防御力は高いけど、攻撃力がちょっとねえ。。

こっちなら、攻防兼用さっ!


ドルル…
ドルル…


あ、あら?あなたは?あなたもうみへび座からの援軍なの?それともみずがめ座



やあ、オニキス。ボクだよ。ハッカイだよ。


えええ!?(@_@。


ボクも兄ぃたちを助けに行くよ。オニキス、キミは早く逃げて。

(あ、せっかく雄姿に戻ったのに、反射で顔がみえないね(T_T))

(な、何よ、あのブタちゃん、ホントはイケメンなんじゃない。あんなブクブクスーツ着ちゃってるから、てっきりデブちゃんかと思ったら。なーんだ、あんなことなら、ちゃんとたぶらかしておけばよかった❤ あーあ、惜しいことしたなー)



ゴクウ兄ぃ!

ゴジョウ兄ぃ!


おい、一本角ヤロウ、こっちだっ。ドラゴンタイド(竜の潮流)が、おまえを流し去るぞ!



…だ、そうだよ。それに、こっちにもね。少しでも動いたら、このデモン・スレイヤーが、邪なるものの心を、刈り取るよ。そしたらおまえ、永劫の冥府、つまりブラックホール行きだぜ。

デモン・スレイヤー秘技!

黒い引力、シュヴァルツシルト!!!

グギギ…

グギギ…


グギギィィィィ



なんだなんだ、おまえ、ギターヘタだなあ。

ユニコーンのマネなんて100万年早いし、それにそのギター、チガうだろーがっ。

おいっ、ゴクウ、ハッカイとおれとでこいつの動きは食い止めたぜ。最後は長兄らしく、おまえがやりなっ。いいとこ見せろよっ。

兄ぃ、いまだーー!




言われ

なくても…

わかって


らいっ!



せーいっ!

秘技!

モンキー…


(もちょっとつづく)