2016年1月17日日曜日

Jan 2016 MONKEY FANTASTIC! 06  


ついに正体を現した(?)真の黒幕、その名はモノホーン(獨角兕大王)。モノホンのワルなのか、またもやウシなのか、それともカブトムシなのか!?そしてこちらも真の姿を明らかにした、われらがゴクウ、ハッカイ、ゴジョウ、そしてジェイドラゴン。物語はついに、真の終幕へ…

『Space Journey to the West』、最終回配本。いざっ。





第二十六回 聖女、着ぶくれする の巻 


さあ、オニキスどの。こちらへ。

あ、あなたは?

ああ、通りすがりのイケメンですよ。っていうのは冗談で、ボクは太上老君さまのお使いできました、顕聖二郎真君。ジローって呼んでください。

は、はあ。。

さ、こっちです。

闘いはさらに激しくなってきます。ゴクウ、ゴジョウ、ハッカイがあの真の姿になったからには、その戦闘力はあなたの知るそれの数万倍。おそらく、次の攻撃が最後になるでしょう。しかしその危険はわれわれにもおよぶ。彼らは力を制御しきれない。ゆえに、ブッダや老子さまが彼らのあの武装を、難癖つけて…もとい、いろいろな理由を考えて没収したのですからね。

…そ、そんな力が。

さあ、ここも危険です。とりあえず、あれを着て。

あれ?あのオレンジの??あれは…

これは、老子さまが、ご愛用の怠惰スーツを改良して作り上げた、宇宙イチィィィの防御力を誇るスーツアーマーです。

核兵器、宇宙線はもとより、宇宙規模の熱量や超低温にも耐えられ、果ては、量子的な攻撃(ってなんやねん)も、あの付属のアイテム、"シュレーディンガー砲鼎子器"で無効化してしまえる、ま、とにかくスゴいシロモノです。

おい、何をモタモタしてるんだ、あぶないぞ!モウ時間がないっ!



イーヤー!

(T_T)


こ、こんなの

着たくない

ヨー(T_T)

な、何をワガママ言ってるんですか、あなたはアスカですかっ。

あなたがケガでもした日には、観音が黙っちゃあいない。彼ら仏法の者と、われらタオの者が争うような事態は、避けないといけないんですよっ。さあさあ、早くっ。

わ、わたし、、、フコウ(T_T)


おいっ、姉さん、それから袴の兄ちゃん、こっちだっ。王宮のほうへっ。

うむ、かたじけない、バッファロー王よ。




第二十七回 石猿が宙から落ちてくる の巻  



秘技!モンキー… パーンチ!!!



第二十八回 太上老君、話をまとめる の巻 

どうでいっ!この一角牛ヤロウ!これでもうピクリとも動けねーだろっ。

さーて、とどめだぜいっ。

イ、イッカク、デハ、ナイ…

ウシデモ、ナイ…



ハイっ!そこまでっ!ゴクウよ、よくやったゾ、あとはまかせなさいっ




なんだー?あ!て、てめーはっ…

太上老君!

…のじじいっ!!


じじいは余計じゃわい。なんだかわしが、じじいのじいさんみたいでややこしいじゃろが。


さて、それより、その者だがな、わしがもらいうけるぞ。

はあ?なんだい、いま頃出てきて、トンビが油揚げみてーなこと言ってんじゃねえよっ。

いやいや、それはな、もともとわしのところのじゃからな。

はあ!?

獨角兕。

モノホーン。


その正体は…

わしの…

わしの…




ぬしの乗騎の

青牛。

そうじゃな。



あっ!観音さまっ!

ひさしいの、タオの長老、太上老君。


やあ、ひさしぶり観世音菩薩。ブッダはお元気?


ア、アヴァロキテーシュヴァラさま!!キテーちゃん!!

…オニキス、おぬしいつのまにわたしにそのようなアダ名を…まあよい。達者であったか?なんじゃ、その姿は…

(T_T)


(マ、マズイ…菩薩が来るとは…

しかもあの一角獣が、老子さまの、、、ウシ!?

ま、まさかそれって…)

老子よ、説明を。

う、、メンボクない。実はもう10万年ほど、いやもっと前かな、わしのウシが逃げ出してな…。なにがイヤだったのかわからんが。。それっきり音信不通だったんじゃが最近、時々気配を感じるようになってな。もしやと思ってあちこち探っておったらほれ、例のバナナ・ファン盗難事件と繋がってな…

まったく…。仏騒がせな…。おおかたサボってばかりいて、ちゃんと大事にしてなかったのじゃろう?自然の獣も、いったんヒトの元においたからには、無為自然ではいかん。きちんと世話をしろ。それができないのならはじめから、ヒトの元に連れてくるでないわ。

おいっ、じじいっ。いまの話、ホントかっ?このあぶねーやつ、おまえのペットなのか?

う、うむ。いやだけど、昔はこんなヒネた子じゃなかったんだよ。

知ってるよ!昔は弱虫で泣き虫の、青白い顔したチビだったんだよ。ウシヤローでさっ。なんだってこんな、ヤバそうなナリした似非ロッケンロールヤロウになっちまってんだよ。

(ゴ、ゴクウ、ウシのワルクチを言うなよな。おれだって、ウシだぜ。。)

うーむ、、それがなあ、どうも時々抜け出して夜遊びしてたようなんじゃが、ある朝、朝帰りしたところを犬に尻を噛まれたらしくてなあ。。それからすっかりグレてしまって、わしに散々文句を言った挙句、そのまま出て行ったのよ。

…ダークサイドに堕ちたのじゃな。

それにしてもいったいどこの犬がそんなヒドいことを。アオ、かわいそうに。



(う、や、やっぱり…。先代の咬天犬が、なんだか明け方にえらく吠えてたあの時だ…。う、この話はナイショにしておこう…。)

じゃがみなの衆、安心してくれ。あれはきょう、わしが連れて帰る。昔の、まだ優しかったころの、あのアオの姿に戻してな。

ほれ、アオや。帰ろう。


老子秘技、

自然たーい!


ブビビビビビ…



おっ、太上老君の杖から何やら光線がっ。

ん??

やつが、いややつの上体が、消えたっ!


おおっ。下半身(?)も消えたぞっ。



…。



おお!

アオや!

懐かしいのお(T_T)

あの頃に戻ろう

優しいお前に…

さあ、こどもだった頃に…



…。

ろ、老子さま。。。そ、それは、ウシではないのでは…。それは、、、サ、サイですよ…。


はっ!そうかっ!獨角兕大王っ。老子さまの乗る青い牛。「兕」とは、水牛に似たツノのある獣。そして、一本角、、、それは、ユニコーンでもなく、カブトムシ(獨角仙/サイカチ)でもなく、、、サイ!!

…サイ…


…って、なんだ?…

…はじめてみたぞ…

みなさん、お世話になりました。

さあ、アオや、おまえもあいさつしなサイ!


(…。)

(ダ、ダジャレか…)

(いや、偶然だろ…)


観音どの、お主の弟子たちには世話になった。礼を言おうぞ。

さあ、アオや、おまえもお礼をいいなサイ!

(…。)

(わざとか…。)

(サ、サイは、哭かない。泣かないぞ(T_T))



第二十九回 悟空、悟浄、八戒、玉龍、帰還する の巻 


やれやれ。

ところで老君、何か忘れ物をしてはおらんかい?


忘れ物?忘れ物とな…。はて…。

おお!そうじゃそうじゃ!そうじゃったわい!

ほれ、ゴクウ、ゴジョウ、ハッカイ、その武装を脱ぎなさい。そいつは期間限定無料貸し出し。期限が来たら引き続き、ボッシュウじゃ。

ブビビビビ


うわっ!も、戻った!


げー

まじかー?

…ザンネンだ。

いやだようー(T_T)


おいっ、どーせならついでにこの輪っかもとりやがれっ!

はっはっは、そいつはおまえがじぶんの脚で、BD +20°307星域に行き、ブッダどのに逢ってその教えを乞い、立派なマジックモンキーになったなら、自然にはずれるじゃろうて。

そっ、そんなのいつになるかわかんねーじゃねーかっ!

わっかっかっか!

(…またダジャレかよ、このじじいめっ!)

やれやれ。また旅か…。

こっの、、

ドケチ!!

ほーれハッカイ、おまえもじゃ。そのマシンはちっとばかし強力過ぎるからな。また元に戻しておくぞ。さーて、配送しやすく、解体解体…

カチャカチャカチャ…


チョチョチョ!ヤメテーー!(T_T)

ほいっ。元通りっ。


わーー!またブタ君になっちゃったよおー(T_T)

(う、う、う、これで、シスターダンサーにも、ジェイド姫にも、モテなくなっちゃう…せっかく、何万年ぶりかにイケメンに戻れたのに(T_T))

最後にオニキス。

…あ、でもそれは防御専門だし、旅はまだまだ長いし、そのままでも、いいヨ。気に入ったでしょ?


イヤ!(T_T)

ゼッッッタイに

イヤ!!


…そ、そうかい。老子、カナシイ(T_T)

ま、仕方ないね。それじゃあ、ハイっ。

やったー!元の姿だ!!って喜ぶもんかっ。あたりまえヨ、まったくっ。ブツブツ。仏仏。

でもまあ、老子のおじいちゃん、なかなかおもしろかったワ。それに、ありがとね。アオくんを助けてくれて。

おかげで、うちのなかまも、バイソンさんとこの家族も、それにアオ君も、誰も命をうしなわなかった。

LOVE & PEACE!!


お、お、ぴ、ぴーす(照)



さて。

わたしも元の姿に戻るか。


それが元の姿なんじゃないの?


いや、まだわたしも、刑期を終えているとは言い難いのでな。オニキスと共に旅を続けるよ。それが終わるまでは、また馬の姿だ。

(天馬のほうがかっこいいしね)

ジローどの、何か言ったかな?

い、いやっ。な、何もっ^_^;

では…

ヒヒヒーン!!

グゲッ

さあ、これで亜空間飛行もまたできようというものだ。これはこれで、ベンリだな。

(これ、タツノオトシゴってことだよな…)

ジローどの…

な、何も言ってないよっ^_^;

それより君いま、何かハネ飛ばさなかった?

ん?

ウーン、ウーン、、イ、イタイ(T_T)

みんながボクちんのことを忘れてるあいだに、逃げようと思ったら、、、この馬めーー

おや、誰かと思ったらクリムゾンじゃないか。そういえばおまえ、ダークサイドに堕ちたモノホーンのやつと結託して、アルデバランにクーデターを起こそうとしてたっぽいな。言動からするに。

う、う、な、何のことかなーハハハ…

問答無用!!

うわーー!(T_T)

ジローどの、真君どの。

ここは、わしに任せてはくれんか。

息子の不始末、このわたしが、ケリをつけたい。



げっ、オ、オヤジ…。ボクちん、ちょっとしたワルフザケで、、、(ま、まだ、このバナナ・ファンはボクちんの手の内にあるんだ…オヤジ、もっと近づいてみろ…)




この…

バカタレが!!

キャプテン・バイソン流、秘奥義…


オーロックス・ボンバー!!



うわーーーーー
空間が、揺れるーーー


…う、、、扇が、奥義に、、、マケタ…


バタンっ


おまえはしばらく、そうじゃな、10万年ほど、みなみのうお座フォーマルハウト星系に幽閉じゃっ。

く、くとぅぐぁ…




第三十回 旅、再び始まる の巻 


メイホウ、いや、ゴクウ、ホントウに行くんじゃな。またさみしくなるな。

なーに似合わないこと言ってやがんでい。オレさまのサマーソルト号や、おまえのなんたらっつーバイクがあれば、いつでもすぐ逢えるじゃあねえか。

ああ、これが、オトコの友情ってやつか。暑苦しいっ。

オニキス、何か言ったか?

べっつにー。

オトコにはオトコの世界がある。例えるなら…宙を駆ける一筋の流れ星、ってとこだな。

ああ!

なんだそれ…。


…まあなにはともあれ、みな無事でよかった。旅は道連れ。供が、いや、友が減ってはオニキスも哀しかろう。


兄ぃ、やっぱすげーや。元宇宙のボウソウ賊で、海賊で、あのゴクドウで有名なバッファローとも知り合いだったなんて、すげーや。

あら、ブタちゃん、一瞬イケメンになったかと思ったら、またブタちゃんになったのね。つまんなーい。

それより君よ、ペガサス君!あんた、かっこいいわよ!旅なんかやめて、わたしの乗騎になりなさい!

ジェイド、あんた、ウシとウマと、どっちかにしなさいよっ。このタヌキ娘っ。

なんですって!

モンクあるの?

あるわよ!

やる?

やるわよ!

コラっ、二人とも、よさんかっ!客人の前だぞっ。


キー!!!


ハッハッハ、バイソン、おまえ、時代遅れの結婚様式してたら、読者サマに嫌われるぜ、考え直せよ。


うっさい、このサル!!×2

なにー、ウキャーーー!

み、みんな、ヤメなさいってば。

LOVE & PEACE!!

いや、これはお騒がせして申し訳なかったな、オニキスどの。西への道中、気を付けて。おひつじ座は流星が多い。流れ弾に当たらぬようにナ。


…。

ええ、だいじょうぶ、おうし座よりは安全だと思うから。


…い、イヤミがお上手だね(T_T)

はっはっは、王さまも師匠にかかっちゃ形無しだねえ。

ふんっ。ところでオニキスどの…

はい?

このバナナ・ファンじゃが…

それはあなたが預かっていてくださいな。この星は暑いわ。きっとそれが必要でしょうし、もうあなたはワルいことにそれを使おうとは思わない。それどころか、キケンなやつから守ってくれるでしょうから。あの炎の山とその氷の扇と、ふたつ、この星の宝にしてください。

オ、オニキスどの、かたじけない(T_T)


では、ゴクウ、達者でな。

おう、てめーもな、バイソンっ。



よぉーし、そんじゃいっちょ、行くかいっ?


おお!

…ああ。

行こう。

しゅっぱーつ!

進行っ!

ああっ、ゴクウっ!そこもわたしが言おうと思ったのに!もうっ!

わっはっは!オニキス、トロいんだよっ。

なんですってーーー



おまけ:青銅姫、赤銅姫、忘れられる… の巻 


ああ、アイアンさま、バッファローさま、、いやこのさい、ジェイドさまでもいい、、、誰か、わたしたちのことを思い出して…

カッパのやつ、意外に紳士で当身で済ませてくれたのはいいけど、、、そのまま放置って…(T_T)


だ、誰か、わたしたちのことを、思い出して…

わたしたち、、、

レディ・ブロンズと…
レディ・カッパーの…

炎のダンシング・クイーンをっ!

(T_T)





宇宙西遊記

Space Journey
     to the West ...




- 完 -