Nov 2015 - もうひとつの手記
アーサー・カニンガムに訪れたヒゲキ、そしてスピードワンコ財団の設立。ビョルン博士の考察は、歴史の断章をあぶりだしていた。しかし、博士はすべてを知ったわけではなかった。もうひとつの、隠された手記を、博士はまだ見出していなかったからだ。それは、財団書庫で、アーサーの日誌の実に隣に置かれていたのだが…
続編 - 1897年 独白
アーサー。
いつかあなたがこの記録を読むことがあると信じて、わたしは筆をとっています。
まだわたしの中に、ヒトらしい部分が残っているうちに、あなたに伝えておきたいから。
そう、じきにわたしは、カンゼンなる獣に変化するでしょう。それはわたしの、みにくい、ゆがんだ心の、報いです。
あれは、あなたがまだ、無邪気に大陸を駆け巡っていたころですね。
あの年のクリスマスを、わたしは忘れません。
あなたと、愛を交し合うことができたあの日を。