Dec 2014 - p05/p24 -
第五章 ヨムス・ヴァイキング
不落の砦
デーン王
藍牙王こと
ハーラル・ブルートゥース
その盟友
ノルウェーは
ラーデのヤール(伯)
ハーコン・シグルザルソン
通称
ハーコンヤール
"旧き神々を奉ずる者たち"
右 騎馬 ハーラル
左 徒歩 ハーコン
"藍牙王"
"Bluetooth"
ハーラル・ブルートゥース
"ノルウェーの実力者"
後 父 ハーコン・シグルザルソン
前 子 エイリーク・ハーコナルソン
民のことを考えてたら、こんなバカな戦はせんだろうに…。
やれやれ。
なーに、藍牙王よ、そのうち飽きて帰るだろう。われら海の民とは違って、長旅には慣れておらぬであろうからな。
うむ、そうだといいがな。
はっはっは。王は心配性ですな。なに、我らスカンディナヴィアの斧があれば、鬼に金棒、いや、ヴァイキングに鉄斧?(まんまか…)
心配には及びますまい。
"皇帝親征(?)"
神聖ローマ皇帝
オットー三世
"第一次北方戦争"
デーン・ラーデ同盟軍
対
神聖ローマ帝国連合軍
カー
ヒヒーン
ブヒヒーン
(鎧、重い~)
(ローマの兵、、、いや、何が「ローマ」だ。ばかばかしい。ゲルマンの兵は退いたか?)
みんな、警戒を怠るでないぞ!
はーい。
あ!誰か来ました!
やあやあわれこそはッ!
…おまえ、どこのもんだ。。
われこそは、皇帝陛下直属の特攻隊隊長、ハインリッヒ・マクシミリアン・アンスバッハ・レオポルド・フォン・ハプスブルクだッ!
ふん。ヘルヴェティカ(スイス)の山奥の田舎侍か…。名前、なげーよ。
ムムム。侮辱!ブジョクなりッ!そっちのほうがややこしい名前のくせに!
えーい、よかろう、いざ、参るっ!
トゥッ!!!
ヤーー!
お、なっかなかやるやつが来たなあ。
こりゃホンキ出さなきゃ、だね。
ハプスブルク、ね。この世から消し去ってやるよん♪
トーオッ!
カキーン… カキーン… カキーン… カキーン… … …
うーん、デーンの城砦は難攻不落、ウワサどおりだなあ。やれやれ、くたびれたよ。
も、申し訳ございません。敵の守備の堅さはわれらの想像以上。思いのほかてまどっておりますが一両日中には必ず。必ずっ。
うーん、だって確かおとといもそんなことを…
う、う、、、
陛下、ここはわたくしにお任せを。
ん?おまえは?
ヴェンドラント公ミェシェコ一世の婿にしてその名代をおおせつかり従軍しております、オーラヴと申します。ここは海に近き地。わたくしめに妙案が。
ヒソヒソ
陛下、こいつ、異教徒ですよ?信用してよいので?裏切るかも…。
おまえ、任せるけど。裏切ったらお前の大事な人とそのオヤジ、先はないと思えよ。
…。はっ。
シグヴァルディ
-数日前-
ザザー
あれか…
に、兄さん、じゃなかった、オーラヴどの、ホントにここに行くんですか?なんだか明らかにヤバそうな人たちだなあ。僕、こわいなあ。。
頼もう~!
頼もう~!
シグヴァルディ殿はおいでか!?
そこのおまえっ、誰だっ!ここヨムスブルグをわれらヨムス・ヴァイキングの砦と知ってノコノコやってきたのか?
なんだなんだ?
ガヤガヤ
ガチャガチャ
(こ、こわいよ~)
どうした?
何の騒ぎだ?
あ、親方!
おっ
あれがシグヴァルディだな?
ウワサどおり、強そうじゃないか。しかも!性格がワルそうだッ!特にあのヘルメット、あれはワルいな~
なっ!ソルギルス!
(ブルブルブル
あれはカタギじゃないよ~)
注:実際にはこのシグヴァルディの兜こそが当時ヴァイキングたちが使用していた形状に近いものです。一般にヴァイキングと聞いてイメージするツノ付きのホーンド・ヘルムの方が、後世創作されたものだそうです。へ~へ~
(心配するな、ソルギルス。おれにまかせろ。よし、ここはひとつ、ブチあげるぞ!)
(え?)
北海の荒くれ者ども!
われこそはハーラル美髪王が曾孫、トリグヴァ・オーラヴソンの息子、
オーラヴ・トリグヴァソンであーる!
皆の者、大きな戦がある。稼ぎ時だぞ!我に従うのだ!
いざ、準備はよいか!敵はデーンの藍牙王ハーラルとラーデのハーコン。やつらはわれらと同じくオーディンを奉ずるものとはいえ、わが祖、ハーラル美髪王の権威をないがしろにし、ノルウェーの地を牛耳るにっくき敵!われに従い、われと共に彼の地を解放しようではないか!さすれば皆に、相応の褒章を与えよう!
なんだなんだ?あいつ、だいじょうぶか?オーラヴっつったら、ノヴゴロドを追放されてヴェンドに転がり込んだっていう、あれだろ?
ハーラル王の子孫ってのも、あやしいらしいぜ?ドレイの出身だってウワサも。前はノヴゴロドのアロギアのツバメ、いまはヴェンドのゲイラのヒモっていう、女ったらし野郎って言うじゃねえか。報酬は確かって評判だが、信用できるのか?
はっはっは。違いねえ。
そうだ。儲け話って言うんだ。いいじゃねえか。
おれらヨムスの者にとっちゃあ、教えがどうのは関係ねえ。オーディンやトールのことをホントにわかってるのはいまやおれたちだけさ。偽りの祀りをする北の王共も、新しき神にかぶれた南の諸侯たちも、どっちも単なるカネヅルよっ!
よっ。シグヴァルディの親方、いいねえ!
そこ、うるさいぞ!では話は決まったなっ!いざ、出港!!
(う、うう、こんなんでダイジョウブなのか~?なんだかヒトモンチャクありそうな集団じゃないか~?ヨムス・ヴァイキング。腕は確かだっていうけど、季節ごとにあちこち、それこそホントあっちこっち、北はバルト、北海から、南は地中海、黒海まで荒らしまわってるってウワサだぞ?ホントだろうか…。そんなのと組んでダイジョウブか~?)
.. To be continued.